宝満直也がゲッケを踊る、「Unique Motion Japan」オープン・リハーサル開催
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小野寺 悦子 Text by Etsuko Onodera
9月22日に開幕を控えた「Unique Motion Japan」のオープン・リハーサルが、このたび田町のスタジオアーキタンツで開催された。
「Unique Motion Japan」は西島勇人が立ち上げた新たなコンテンポラリーダンスのプロジェクトで、このたび新国立劇場 小劇場で初上演を迎える。
スタジオアーキタンツは今年4月に設立25周年を迎え、その大きな節目の記念事業の一環として、「Unique Motion Japan」に作品及びスタジオ提供の形で参加・協力。スタジオアーキタンツが提供するのは、マルコ・ゲッケの振付作『Äffi』で、宝満直也がソロを踊る。
「Unique Motion Japan」主宰の西島はボリショイ・バレエ学校を経てロシアのカンパニーで長くプロダンサーとして活動するとともに、クラシック・バレエのガラ公演<Bright Step>を展開、国内外のバレエダンサーと作品を多く紹介してきた。オープン・リハーサルでは、まず西島が登場し、本プロジェクトの経緯を説明している。
「ロシアにいたとき、ロシア国内も徐々にコンテンポラリーダンスにシフトチェンジし、いろいろな方々がコンテンポラリーに興味を持ち始めているのを肌で感じるようになりました。ディアナ・ヴィシニョーワも、ロシアでコンテンポラリーのプロジェクトを始めています。<Bright Step>はバレエを中心に海外との架け橋を目的に始めましたが、年数を重ねるごとに海外のレパートリーの流れが変わり、"これが海外のバレエだ"と言うことに違和感を覚えるようになってきました。コンテンポラリーダンスを軸にした作品を少しでも日本のみなさんに届けられたらと思い、それが「Unique Motion Japan」立ち上げのきっかけになりました。
マルコさんに初めて触れたのは僕が18歳のとき。あれからいろいろな振付家と仕事をするなかで、バレエにはない面白さがコンテンポラリーダンスにはあり、自分の内側の魅力を引き出すツールだと感じました。「Unique Motion Japan」が、日本の方々に新たな舞台芸術の選択肢の一つになればと思っています」(西島)

宝満直也
続いて、宝満による『Äffi』の通し稽古を披露。『Äffi』の初演は2005年12月、当時シュツットガルト・バレエ団のプリンシパルだったマライン・ラドメーカーが踊り、ゲッケの名を広く世界に知らしめた。その後、NDT、スカピーノ・バレエ・ロッテルダム、ボストン・ダンス・シアターなど、世界各地で上演。今回は日本初演、アジア初演となり、振付指導をジョヴァンニ・ディ・パルマが担当している。
楽曲はアメリカのカントリー、ロック、ロカビリー歌手で作曲家のジョニー・キャッシュによる3曲『Hurt』『The Man Comes Around』『We'll Meet Again』を使用。ソロは12分におよび、曲とともにそこで見える景色も変わる。マルコ独特の痙攣を思わせる動きに、ときに叫び声を放ち、宝満が男の心情を全身であらわしていく。近年は振付家としての目覚ましい活躍が続くが、改めてダンサーとしての魅力を感じさせ、ゲッケ作品を踊る彼は新鮮な印象だ。
宝満がゲッケ振付作に挑むのは初めてで、意気込みを語る。「ジョバンニさんに、振付に留まらず、壊して、壊して、もっともっと自由になれ、と引っ張られています。自分はダンサーとしてはもうキャリアの終わりですが、この時点で深く作品を探求できる機会をくださって感謝しています。今できる自分のすべてを捧げようと思います」。また振付家としての視点から作品をみつめ、「すごく興味深く、学ぶこと、意識しなければいけないことがたくさんある。振付家として、ダンサーに対するアプローチも勉強になりました。今後の自分の創作にもいきるだろうなと思う。身体が動く内に経験できてよかった。作り手にまわったとき、役に立つなということがいっぱいありました」と手応えを口にした。

宝満直也

宝満直也
指導を手がけたジョヴァンニとスタジオアーキタンツとの縁は深く、アーキタンツ10周年記念公演で上演されたウヴェ・ショルツ振付作『ラフマニノフピアノコンチェルト第3番』の指導に始まり、ゲッケ振付作では2014年に酒井はなとロバート・テューズリーが踊った『火の鳥』、酒井出演の『Mopey』等を手がけてきた。2020年にはアーキタンツ20周年記念公演としてゲッケ振付作『薔薇の精』の上演を予定していたものの、コロナ禍により中止に。今回はゲッケの『薔薇の精』もプログラムに含まれている。
ジョヴァンニが宝満のソロをこう評価する。
「マルコの世界観がとても表現できている作品で、一人の男性の哀しみ、絶望、探求、孤独が12分という時間の中に入っています。ダンサーが情報を受け入れるオープンな姿勢がないといけないけれど、それを受け入れてくれている。宝満さんにとっても、とてもいい時期にこの作品を教えることができたのではないかと思っています」(ジョヴァンニ)
上演作品はほかに、マルコ・ゲッケ振付『Le Spectre de la Rose(薔薇の精)』、イーサン・ルステム作品『After Glass』、福田圭吾振付『SHIKI』『After the Show』、トリッキングパフォーマー・rikubouzの『Martial "ARTS" Tricking』を予定。キャストには、飯島望未、福田圭吾、宝満直也、澤村亮、西島勇人、スイス・バーゼル・バレエのアナ・パウラ・カマルゴとパーカー・ギャンブル、そしてチューリッヒ・ダンス・アカデミー、シンフォニーバレエスタジオの生徒まで、多様なキャリアを持つダンサーが一つ舞台に集う。

Le Spectre de la Rose ©Rahi Rezvani

Le Spectre de la Rose ©Rahi Rezvani
「Unique Motion Japan」
新国立劇場 小劇場
2026年9月22日(火・祝)14:00、18:00、9月23日(水・祝)14:00
https://www.unique-motion-japan.jp/
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