米沢唯&速水渉悟を主役に迎えて、夏山周久再振付のとっても可愛らしい『コッペリア』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

全日本洋舞協会

『コッペリア』夏山周久:再振付

昨年、『ジゼル』の主役に迎えた新国立劇場バレエ団プリンシパルの2人、米沢唯と速水渉悟を再び迎えて、今年は『コッペリア』。米沢のスワニルダというと、新国立劇場バレエ団のローラン・プティ版のコケティッシュな魅力がとても似合っていたのを思い出すが、今回の全体的に可愛らしく微笑ましい夏山周久振付版もなかなか良かった。登場から表情変化が自然で、その時々の気持ちがすーっと観客に伝わる。3幕の結婚式で、神父の前にフランツと並んで跪き、愛を誓う時にブーケを持った両手がブルブルと震えているのも、とても可愛らしかった。
フランツの速水は、高いバレエテクニックで楽しませてくれたのはもちろん、スワニルダがいながらコッペリアが気になったり、チャルダッシュを他の女性(坂田麻由美)と踊ったり、そんな浮気性なモテ男がよく嵌まる。

1幕-チャルダッシュ0350 撮影:文元克香(テス大阪).jpg

チャルダッシュ:坂田麻由美、速水渉悟、ほか
撮影:文元克香(テス大阪)

2幕-0629 撮影:文元克香(テス大阪).jpg

スワニルダ:米沢唯、コッペリウス:清水健太
撮影:文元克香

コッペリウスは清水健太で、2幕のフランツ、そしてスワニルダと相対する、そのやりとりの "間" が絶妙。主役を重ねて来た清水がベテランになり、こういった少しひねりの必要な役で全幕バレエの質を押し上げているのが心強い。

そんな主役を中心に、関西の実力派ダンサーたちが脇を固めた。
1幕では、マズルカの中心をダイナミックに踊った松尾星良と藪内暁大、フランツの速水をパートナーに長身を活かしてスケールの大きな踊りを見せた坂田麻由美。3幕では、ディヴェルティスマンが適材適所で踊られた。恵まれたスタイルで、時の中心を踊った森虹乃歌、おだやかな持ち味も見せながらあけぼのを踊った大成遼、優しげで清らかな椿原せいかの祈り。馬野瑞季は仕事の中心を元気に踊り、ブライズメイドの4人(上野萌華、八田湖乃晏、林万葉、宮﨑かのん)もなかなかの実力派だった。戦いは男性だからこそのテクニックを、荒木秀生、上村崇人、坂井大介、末原雅広、髙島健太朗、ド・ユンジェの6人が楽しませてくれた。
(2026年8月13日 SkyシアターMBS)

3幕-1115 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

スワニルダ:米沢唯、フランツ:速水渉悟
撮影:田中 聡(テス大阪)

3幕-1199 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

スワニルダ:米沢唯、フランツ:速水渉悟
撮影:田中 聡(テス大阪)

3幕-戦い1093 撮影:文元克香(テス大阪).jpg

荒木秀生、上村崇人、坂井大介、末原雅広、髙島健太朗、ド・ユンジェ
撮影:文元克香(テス大阪)

3幕0787 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

スワニルダ:米沢唯、フランツ:速水渉悟
撮影:田中 聡(テス大阪)

3幕ブライズメイド-1049 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

ブライズメイド:上野萌華、八田湖乃晏、林万葉、宮﨑かのん
撮影:田中 聡(テス大阪)

3幕祈り-8046 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

祈り:椿原せいか
撮影:田中 聡(テス大阪)

記事の文章および具体的内容を無断で使用することを禁じます。

ページの先頭へ戻る