ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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三光 洋 Text by Hiroshi Sanko 
[2009.04.10]

クランコ『オネーギン』、ドゥアト、プレヨカーユ、フォーサイス、ワルツ他のダンスが続々上演される

BALLET de l’OPERA de Paris
パリ国立オペラ座バレエ
John Cranko « Onéguine »:ジョン・クランコ『オネーギン』
ENTREE AU REPERTOIRE レパートリー入り

BALLET de l’OPERA de Paris
パリ国立オペラ座バレエ
John Cranko « Onéguine »:ジョン・クランコ『オネーギン』
ENTREE AU REPERTOIRE レパートリー入り


音楽/チャイコフスキー、編曲とオーケストレーション/クルト・ハインツ・シュトルツェ、振付と演出/ジョン・クランコ、装置と衣装/ユルゲン・ローゼ
ジェームス・タッグル指揮 パリ国立オペラ管弦楽団
オネーギン/ニコラ・ル・リッシュ、マニュエル・ルグリ、ホセ・マルティネス、エルヴェ・モロー
タティアナ/オーレリー・デュポン、ドロテ・ジルベール、クレールマリー・オスタ、イザベル・シャラヴォラ
レンスキー/バンジャマン・ペッシュ、マティアス・エイマン、オードリック・ブザール、フロリアン・マニュネ
オルガ/ミリアム・ウルド・ブラアム、エヴ・グリンスタイン、ミュリエル・ズスペルギ、マチルド・フルーステ
グレミン侯爵/クリストフ・デュケンヌ、カール・パケット、ニコラ・ポール、ヴァンサン・コルディエ

南アフリカ出身でドイツのシュツットガルト・バレエ団で活躍した振付家ジョン・クランコ(1927-1973)による『オネーギン』(1965年)が、パリ国立オペラ座バレエ団のレパートリーに入る。原作はロシアを代表する詩人・劇作家であるプーシキンの小説『オネーギン』。この作品は、チャイコフスキーが作曲したオペラがよく知られているが、クランコは同じ作曲家のピアノ曲『四季』(作品37b 1月「炉辺で」から12月「クリスマス」までの12曲からなる)をショトルツェが編曲し、オーケストレーションした音楽を使っている。
オネーギンは男女の感情のすれ違いがテーマ。クランコは複雑なコレグラフィーのヴォキャブラリーと高度の技術を駆使したパ・ド・ドゥにより、オネーギンとヒロインのタチアナの心の揺れを表現した。ドイツの装置家ユルゲン・ローゼによる舞台装置もロシア貴族の華麗な生活を巧みに喚起する。
プルミエ4月16日19時30分。4月18・21・22・24・30日 5月3・4・6・7・11・12・14・15・18・19・20日 19時30分開演 (5月3日のみマチネ公演 14時30分)

BALLET de l’OPERA de Paris
パリ国立オペラ座バレエ
Emanuel Gat エマニュエル・ガット « Hark ! » 『お聞き!』
Nacho Duato ナチョ・ドゥアト « White Darkness » 『白い闇』
Angelin Prejocaj アンジェラン・プレヨカーユ « MC14/22 « Ceci est mon corps » 『MC14/22 これは私の身体だ』


« Hark ! » 『お聞き!』(世界初演)
音楽/ジョン・ダーランド、振付・衣裳・照明/エマニュエル・ガット
« White Darkness » 『白い闇』
音楽/カール・ジェンキンズ、振付/ナチョ・ドゥアト、装置/ジャファー・シャルビ、衣装/ルルド・フリアス

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 « MC14/22 « Ceci est mon corps » 『MC14/22 これは私の身体だ』
音のクリエーション/テッド・ザマル、振付/アンジェラン・プレヨカーユ、衣装/ダニエル・ジャジアク
アンジェラン・プレヨカーユは『MC14/22 これは私の身体だ』で暴力、過剰と優しさの間にある裸で虐待される身体の物理的な可能性を追求している。これに対し、イスラエルの振付家エマニュエル・ガットは、パリ国立オペラ座バレエの女性ダンサーのための創作を発表する。抽象的なフォルムを通じて、エリザベス朝時代のリュート奏者で作曲家だったジョン・ダーランドの音楽のメランコリックな旋律とガットのダンスは一体となる。ナチョ・ドゥアトは麻薬が引き起こす曖昧な感覚を繊細に描いている。魅惑が依存となり、闘争が放棄へと変わっていく。音楽との密接な関係、視覚的な美の探究という点でこの三人の振付家は一致している。それぞれがその気質に応じて、エネルギーと官能、ヴィルチュオーズの刻印を押された動きを通じて、日常の詳細なことを繊細かつリアルに観察しとらえたものを表現している。
プルミエ4月29日19時30分。5月2・5・13日 19時30分、5月9・16日は14時30分と19時30分の二回公演、5月17日は14時30分 

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THEATRE de La Ville パリ市立劇場
Ballet de l’Opéra de Lyon /Wiliam Forsythe « Second Detail» « Duo » « One flat thing, reproduced » 
リヨン国立オペラ・バレエ、ウイリアム・フォーサイス『第2のディテール』『デュオ』『ワン・フラット・シング・ルプロジュースド』

フォーサイスの世界初演作品を8つレパートリーに持つリヨン国立オペラ・バレエ団が、一晩で一挙に3作品を上演する。
上演は4月7日より4月10日。

 THEATRE de La Ville パリ市立劇場
Sidi Larbi Cherkaoui « Origine »
シディ・ラルビ・シェルカウイ 『起源』

4月20日から24日。
Sacha Waltz « Zeiland »
サシャ・ヴァルツ『二つの国』

4月27日から30日。
« ALLEE DES COSMONAUTES »
『宇宙飛行士通り』

5月5日から9日。
Wayn Traub « Maria-Magdalena » CREATION
ウエイン・トラウプ『マグダラのマリア』(世界初演)

4月28日から5月9日。

CHATELET  THEATRE MUSICAL DE PARIS パリ市立シャトレ歌劇場
Martha Graham Dance Company マーサ・グレアム・ダンスカンパニー

マーサ・グレアムはコンテンポラリー・ダンスのパイオニアだった。1991年にグレアムは亡くなったが、マーサ・グレアム・ダウスカンパニーは彼女の作品を演じ続けている。
Programme A « Errand into the Maze»  « Diversions of angels » « Lamentation » « Cave of the Heart»  «Mapple Leaf Rag»
4月14・16・18日。
Programme B « Embattled Garden»  «Sketches from “Chronicale» «Night Journey »
4月15・17・19日。

Théâtre du Chaillot シャイヨ国立劇場
THIERRY BAE « Tout ceci (n’) est (pas) vrai »
チェリー・バエ 「これはすべては本当だ(ではない)」

ヴィデオ/フランソワ・ルジョール、音楽/ブノワ・デルベック
チェリー・バエはランスの美術学校に学んだあと、マルセル・マルソーとエティエンウ・デクルーからマイムを学んだ。その後、ダンサーとしてカトリーヌ・ディブレスとジョセフ・ナジの振付で踊っている。今、振付家としてバエは年齢とともに衰えていく自分の肉体に問いかけ、その失望と羨望を現実とフィクションの間に表現している。
4月4日から11日。