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ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2014.05.12]

国際的に活躍するフラメンコダンサー、エバ・ジェルバブエナの風格ある舞台

Eva Yerbabuena Ballet Flamenco エバ・ジェルバブエナ フラメンコ舞踊団
Eva Yerbabuena エバ・ジェルバブエナ:芸術監督&振付
“ Ay ! ” "Javier " Eva Yerbabuena『アイ!』『ジュビア(雨)』エバ・ジェルバブエナ:振付

フラメンコ・フェスティバルが、ニューヨークのさまざまな場所で、3月に行われました。そのメインイベントの一つ、ニューヨーク・シティ・センターの劇場にて上演されたエバ・ジェルバブエナの、2つの公演を見しました。3月8日夜の『アイ!』と、3月9日夜の『ジュビア』です。
エバ・ジェルバブエナは国際的に活躍し、時々、日本公演もしています。1970年、フランクフルトで生まれ、生後2週間で両親の出身地であるスペインのグラナダに引っ越しました。プロのバイラオーラとしての活動は1985年からスタートし、1998年に自身のカンパニーを創立しました。9つの振付作品がさまざまな賞を受賞しました。他、踊り手としても多数の賞を受賞しています。2001年には、プレミオ・ナシオナル・デ・ダンサ(スペイン舞踊家賞)を受賞しました、同じ年にはピナ・バウシュのヴッパタール舞踊団の25周年記念で踊るために、招聘されました。

ny1405b01.jpg photo/Jose Luis Alvarez

『アイ!』はエバ・ジェルバブエナのソロ公演でした。7つの作品を連続して表現しました。フラメンコだけではなく、コンテンポラリー・ダンスの要素も取り入れていました。
ジェルバブエナのサパテアードはとても正確にリズムを刻んで、すごく高速で激しく、細かいもの。身体の軸がピタッと安定していて動かず、サパテアードが抜きん出て得意なバイラオーラです。
ソロで1時間半も踊り続けたため、途中、静止して演劇のような要素も入れたり、マントンを振り回したりしていました。じっとしている静かなシーン、変わった形の大きなイスの背もたれ部分に、頭から上半身を入れて出たり入ったりし続ける演技、コンテンポラリーのような踊り、フラメンコ舞踊を交互に重ねていきました。
カンタオール(歌手)が3名いて、同時に舞台真ん中で歌のバトルを交互にするところも長くあり、とても声量があってすごい迫力で盛り上がりました。そしてジェルバブエナの激しい踊りも加わりました。
最後は、このように最高潮に盛り上がっている最中に、数名が“アイー!”と歌い続けている中、ジェルバブエナがマントンを上に振り上げ、そして下に振り下げる動きを、何度も何度も繰り返し続けているところで幕が閉じました。

ny1405b02.jpg 「ジュビア」photo/KLAUSHANDER

『ジュビア』は対照的に、酒場の舞台セットが多く出てくるシアター風で、とても楽しい作品でした。出演ダンサーは、主役のジェルバブエナの他、バイラオール2名、バイラオーラ2名でした。酒場のシーンが多く、真ん中で繰り広げられるフラメンコ舞踊のバトル、歌のバトルなどが交互に入っていました。現地のタブラオでの公演の様子に近い、純粋なフラメンコも楽しめる作品です。もともとのアンダルシアのタブラオのフラメンコ公演の要素を大事にして、そのまま大きな劇場での作品へと創作したものだと思います。
バタデコーラで踊り、長いスソを蹴り上げてぐるぐる周り続けるところもあり、すごい拍手でした。華やかでした。マントンを広げてぐるぐる周り続けたところも見事でした。
最後は、ギターのトレモロの音が続き、ジェルバブエナは赤いドレスを着て出てきて、そのままつかつかと舞台上を歩いていき、そのまま客席に降りてきて、通路をまっすぐに堂々とゆっくり歩いていき、去っていきました。これは意外性もあって、堂々とした風格があふれて凛としていて、素晴らしい演出でした。
(2014年3月8日夜 3月9日夜 ニューヨーク・シティ・センター)