ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From New York <ニューヨーク>: 最新の記事

From New York <ニューヨーク>: 月別アーカイブ

針山 真実 text by MAMI HARIYAMA 
[2013.10.10]

今年の夏、ニュ−ヨークで行われたABTのサマー・インテンシブをレポートします!

Summer Intensive - American Ballet Theatre

6月23日、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のサマー・インテンシブに5週間参加する日本人たちを迎えた。
アメリカでは夏に各地でサマー・インテンシブという特別な集中コースが開催され、夏の間生徒たちは集中してレッスンを受ける。そしてまた、普段と違うバレエスクールの生徒たちと共にレッスンをすることで刺激を受ける。寮の設備があるバレエ学校もあるが、アメリカン・バレエ・シアターには寮が無いので毎年、私は日本からの参加者を受け入れている。
受け入れた生徒たちはユース・アメリカ・グランプリの日本予選で、このインテンシブに参加を認められた生徒たち。年齢は13歳から16歳で、それぞれ日本各地のバレエスクールから単独で参加した。

ny1310d_03.jpg 撮影:針山真実

彼女たちがニューヨークに到着したのは日曜日、初対面の生徒たちでもバレエという共通の目指すものがあり、飛行機の中で既に打ち解けた様子。着いて翌日からバレエ・ダンス漬けの日々が始まる。
アメリカン・バレエ・シアターのサマー・インテンシブには全米からオーディションに受かった12歳から18歳の生徒たちが300名以上参加し、まず初日に行われるレベル分けクラスの後、各クラスに分かれて月曜日から金曜日まで毎日5週間レッスンに通う。
カリキュラムはクラッシック・バレエ、ポイント、パートナリング、バリエーションクラス、モダンダンス、ジャズダンス、ミュージカルシアター、キャラクターダンスなどがあり、そしてダンスの歴史や栄養学の授業も行われる。また週に2回は朝9時からピラティスかヨガクラスがあり身体のメンテナンスもする。残りの週3回は朝10時からバレエが始まり午後5時までいろいろなダンス授業を受ける。まさにダンス漬けの生活、日本から来る子供たちにとって憧れの生活だ。

過去にこのサマー・インテンシブに参加してアメリカン・バレエ・シアターの付属学校、ジャクリーン・ケネディ・オナシス・スクール(JKO)に入れるチャンスを手にした生徒もいる、その一人が最近バレエ団に入団をした小川華歩。
そしてこのインテンシブの魅力は、そのJKOスクールの校長のレッスンやアメリカン・バレエ・シアター団長、ケヴィン・マッケンジーのクラスを受けられること。そしてさらには現役ダンサー、しかもプリンシパルダンサーのジュリー・ケントのレッスンやマルセロ・ゴメスがパートナリングレッスンを教えてくれるという素晴らしい機会がある。

ny1310d_02.jpg 撮影:針山真実

そして5週間のレッスンの最終日には舞台上で発表会が行われ、各クラスごとにバレエ、ジャズ、モダンなどの作品を披露する。これが毎年見応えがある。
今年は『白鳥の湖』の抜粋シーンや、担当した先生のオリジナルの作品、『オネーギン』の1シーンなどが上演された。私が毎年感心するのはモダン作品。振付がとても良いし、クラス全員なので25人くらいが一緒に踊るから見応えがあり、みんながすごく生き生きと踊っている。アメリカならではなのかモダンダンスを踊るときの体の動かし方がとても大きくて、クラッシックよりもいい! と思うこともあるくらい。どの作品にしても短い間でしっかりと仕上がっていて、観客からは大きな拍手が沸いた。
この最終日の公演が終わるとインテンシブ参加者たちがロビーに集まり先生や生徒同士で記念撮影をしたり、5週間共に過ごしたクラスメートと別れを惜しみあう。

日本から来た生徒たちは、インテンシブの最初の方は言葉の壁と時差で精神力を使いきって、9時から5時まで踊り続けたら帰りはバスに乗ったとたんにすぐ眠ってしまっていた。しかし毎日がとても充実しているので、あっという間に2週目、3週目と進んでいき、帰る日が近づくにつれて帰りたくない、帰りたくないと言っていた。
生徒たちは今年も5週間1日も休まず無事にレッスンに参加し、週末になると観光をしたりお買い物をしたり。日々のレッスンとともにニューヨークの生活を満喫していた。

ny1310d_01.jpg 撮影:針山真実