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(インタビューアー/ブルーシャ西村) 
[2012.06.11]

インタビュー=フラメンコ・ダンサー 、ファン・デ・ファン(Juan de Juan)

ファン・デ・ファンは1979年スペインのセビージャ生まれ。5歳からフラメンコのバイレを学び、16歳でプロとしてラ・コンパニーア・デ・アントニオ・カナーレスのメンバーとなり、まもなくプリンシパルに昇格。スペイン中の主要なシアターや世界中で公演をした。その後、独立し、現在はフリーで活躍中。

ny1206d01.jpg Photo(C)Victor Cucar

----どのようにフラメンコのバイレを始めましたか。
フアン・デ・フアン(以下、J):5歳から。私の故郷はセビージャで、フラメンコが盛んな場所だから、子供の頃から周りでフラメンコをやっているのを見て自然にやり始めました。家で真似をして踊っているところを私の兄が見て、“フアンは習っていないのにフラメンコを踊れている!バイレの才能があるから、ぜひレッスンを受けさせてあげるほうがいい!”と両親に言ったのがきっかけで、5歳の時にフラメンコのレッスンを受け始めました。そしてすぐ上達して、1年後には上手に踊れるようになっていました。

----フラメンコにはギター、タコン、カンテ、バイレがありますが、その中でバイレをどのように選びましたか。
J:僕は最初から、子供の頃からずっと、バイレが一番好きでした。

----どのようにプロのフラメンコ・バイラオールになりましたか。

J:16歳から。様々な主要なフラメンコ・カンパニーに参加、出演してきました。僕は、大きなホールに出演するバイラオールです。小さなタブラオには出演しません。

----毎日、練習しますか。
J:毎日、必ず練習します。僕の一日は、まず、朝起きて、コーヒーを飲んだらすぐに自宅にあるスタジオに入ってドアを閉じ、こもって集中して練習します。毎日練習しなければ、自分自身が、「踊りのレベルが下がったな」と気がつきます。他の人々は気がつかなくても、自分ではよく分かります。1日さぼると、肉体的にキレが落ちるのです。さぼって後で苦しむのは、結局、自分です。だから1日たりとも練習を休むことはありません。

----風邪をひいたり熱を出したり、体調が悪いときも練習しますか。

J:はい、病気のときも必ず練習します。熱があってつらいときや足腰が痛くて動けないときは、負担の少ない静かなステップを選んで、“ススススス・・・”とスタジオを一歩一歩すって細かく早く歩いて、ぐるぐると1時間半くらい動き回ります。

----病気の日でも練習を必ずするなんて、すごいですね。
J:もし2日でも休んだら、激しいバイレをすると、後で足が痛くなるのです。特に、腰にきて、痛くなります。普段から毎日、節制して、練習し続けていなければ、このバイレに耐えられる肉体が保てないのです。

----フラメンコって厳しい世界ですね。普段から、すごく節制していらっしゃるのですね。
J:はい。バイレのために節制しています。僕は普段は全く、お酒を飲まないのです。お酒を飲むと、翌日は身体にダメージがでて、動きが重くなります。自分ではその変化に気がつきます。だから、お酒を飲むのは1年のうちに数回だけ、ごくたまにです。

----スペイン人なのにお酒を飲まないなんて! 普段、バイレのために何を食べていらっしゃいますか。
J:何でも食べますよ。スペイン料理は最高に美味しいので、大好きです。踊りの筋肉のために、パスタもよく食べます。

----バイレの最中に、太ももとか胸とか、自分の体をバチバチとたたきますよね。痛くないですか。
J:あ〜、身体が慣れているから、今では全く平気です。

ny1206d02.jpg Photo(C)Victor Cucar

----出演直前の時間は、どのように過ごしていらっしゃいますか。
J:公演の内容に集中します。静かに集中して一人で過ごします。体をよくウォーミングアップします。

----あなたはスペイン人なのに、視点が外に向いていますよね。普通、一般的なスペイン人は、自分の国スペインが大好きで“ここで私はとても幸せだ”といって動かず、留まりますよね。
J:そうそう、普通はそうだね。僕はとてもオープンなんだ。私は一箇所にじっとしているのが好きじゃないのです。世界の色々なところに行くのが好きです。そして、色々な人々と新しいことを試したいのです。そして踊りは言葉が要らないんだ。言葉がなくても踊りで人々に通じるから。少しずつ広がりがあります。

----今回のニューヨーク滞在と公演はいかがでしたか。
J:とても良かったよ。上手くいった。多くの人々に会って知り合うことができたよ。