ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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レーザー光線を駆使した光のショーとダンスの大掛かりな公演

Chunky Move
チャンキー・ムーヴ
Gideon Obarzanek “ Mortal Engine ”
ギデオン・オバーザネック『モータル・エンジン』
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BAMのネクスト・ウェーブ・フェスティバルに招聘されているオーストラリアのダンス・カンパニーのチャンキー・ムーヴの公演が、12月9日から12日まで上演されました。
これは今まで観たことがないとてつもなく個性的な公演で、振付も面白いうえ、大掛かりな装置を使っていて照明もすごかったです。大変度肝を抜かれて驚きの連続でした。本当に観に来て良かったと久しぶりに思ったコンテンポラリー・ダンスです。鍛え抜かれた肉体のダンサーのレベルも高く、感動しました。

ダンサーはたった6名なのに、こんな異世界を表現できるなんて、芸術監督のオバーザネックに感心しました。本当に世界でもアウトスタンディングな舞台芸術の才能だと思います。強烈です。オーストラリア出身の方です。
BAMはいつも招聘するダンスカンパニーの審美眼が鋭く優れているなと感心することばかりで、大変興味深い作品とカンパニーを拝見することができるので見逃せないのです。
チャンキー・ムーヴは1995年に芸術監督のオバーザネックが創設しました。

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作品は『Mortal Engine』。舞台上に大きな板が客席に向けて斜めに置かれていて、その上に全身タイツやレオタードのダンサーは1人~数人で寝転がって動きました。照明はレーザー光線を多用していて、全てそのレーザー光線はコンピューターで波形をプログラムして緻密に作られている手が込んだものでした。
舞台上が真っ暗で、斜めの板だけが白く照明を当てられ、その上で寝転がりながら動くダンサーには黒い影が投影されていて、虫か何か他の生物のように見えました。

動きは、基本はクラシックバレエベースなのですがコンテンポラリー感覚で、ほとんど全体を通して、寝転がりながら動いて表現したり、板を垂直に立ててその板にはり付いて動いていました。身体が出来ていないダンサー達でも動ける振付ですが、彼らはバレエの基本がしっかりしたレベルが高いダンサーなので、一つ一つの動きに見応えがありました。
電子音を発しながらレーザー光線が舞台に当てられて。幾何学模様が次々と浮いてきました。円や四角や模様です。途中、光線が激しくなるところは舞台上にはダンサーは誰もいなくて、レーザー光線ショウでした。
最後の方は、客席にも向けて大量のスモークがたかれて、大掛かりなレーザー光線が客席後方から舞台へ向けられて、動いていきました。スモークのせいでレーザーが客席にも届き、迫力がありました。

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途中、印象に残ったシーンは、ダンサーが板にはりついてじっとしていて、少しでも動くと“ビリビリッ”と電気音がしてダンサーの身体から少しずれて黒い影が動いていったところです。ダンサーは2人、1人から6人まで、色々なシーンが続きました。ダンサーが感電しているような痙攣している動きとともに、ビリビリという電気音が流れたりして、面白かったです。
6人積み重なったり、離れたり、開脚したりしていました。何と表現していいのか、虫のような動きでした。
休憩なしの1時間の公演でしたが、あっという間でした。これはできればもう一度観たいと思った面白い作品でした。大満足です。
(2009年12月10日夜 BAM ハワード・ジルマン・オペラハウスにて)

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