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アメリカン・バレエ・シアターの『ラ・バヤデール』

5月19日から7月12日まで、リンカーンセンターのメトロポリタン・オペラ・ハウスで、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の公演が約2ヶ月間行われていました。

ヴェロニカ・パート
今回のレポートは、6月23日夜8時開演の、『ラ・バヤデール』です。以前に何度かこの公演について詳細を書きましたので、あらすじは省きます。見所満載の、長時間の大作です。
ニキヤはヴェロニカ・パート、ソロルはマルセロ・ゴメス、ガムザッティはミシェル・ワイルズが踊りました。ソリストの加治屋百合子は、ザ・シェーズを踊りました。
パートは美形でとても美しく可憐な役がピッタリです。ゴメスは若々しく、エネルギーと跳躍力があふれた素晴らしいダンサーです。

 第一幕の、寺院の外と森のシーンでは、一番の見所は、終盤のゴメスのソロでした。大ジャンプを連発し、グランフェッテ11回転、大ジャンプで開脚して、パッセのままジャンプして空中で回転して着地を何度もくり返し、すごい歓声と大拍手が巻き起こりました。
その後、ニキヤはおとしめられて毒蛇にかまれて亡くなりました。

 第二幕の、ソロルのテントのシーンでは、孔雀のはくせいが3個ついた大きなイスが置いてあり、ソロルはは水パイプで阿片を喫煙していて、舞台全体にスモークがかかっていました。ここは一番美しい、盛り上がるシーンです。
見所は、月光のもとで、白いチュチュの女性たちが次々に一人ずつ、一歩ずつ、ルルベ、アラベスクで止まって出てきて、進んで、またルルベ、アラベスクをして、舞台上で横にジグザグで前方に進んでくるところです。とても幻想的で美しいシーンです。その真ん中で加治屋百合子たちが踊りました。
ゴメスが月光のもとでソロで踊っていると、ニキヤの幻が映り、消えました。またニキヤの亡霊(パート)が現れ、ゴメスとパ・ド・ドゥで踊りました。白いチュチュの加治屋百合子のソロがありました。そして、ゴメスとパートは、シフォンのようなとても長いベールを手に持って、両端を持ち、踊りました。ベールを離し、パートがソロを踊りました。
大技では、ゴメスがダイナミックで男性的なソロを踊り、パートがシェネ、ピルエットをくり返し拍手が起こり、ゴメスがまた大ジャンプで出てきて止まり、パッとライトが消えました。その瞬間、ものすごい大拍手が巻き起こりました。
最初の宮殿のシーンに戻り、ゴメスは例の孔雀のイスのところにいました。阿片の幻覚の中での出来事から我に返ったのでしょう。そしてガムザッティが1歩ずつ近づいてきて、ゴメスは顔を背けました。ガムザッティと結婚しなければならないことを思い出したのです。

 第二幕は寺院の中での、ソロルとガムザッティの結婚式のシーンです。
舞台上の真ん中に置かれた大きな階段の中から、全身ゴールドに塗った男性の像が降りてきて、踊ったシーンはとても印象的です。
また、大勢のピンクのシフォンパンツとストールの女性たちがでてきて、両手に1個ずつ豆電球を持って踊るところは、ライトが薄暗く落とされていて、電球がボーっと幻想的に光り、美しかったです。
ソロルとガムザッティの間を何度もニキヤの亡霊が通り過ぎて邪魔をしました。突然、地響きが起こり、寺院が全部崩れ去り、燃え上がり、瓦礫と化してしまって、全員亡くなりました。

 最後はニキヤとソロルが長いベールの両端を持って2人で踊り、幻想的なシーンで幕を閉じました。音楽も短調からハ長調に変わって終わりました。