ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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 皆様、こんにちは。お元気ですか?
ニューヨークは、過ごしやすい気候が続いています。日本はいかがですか?
マンハッタンでは、6月、7月はダンス公演が真っ盛りのシーズンなので、たくさん観たいものがあり、どれを鑑賞しようか迷ってしまうほどです。今月号も、引き続きニューヨーク・シティ・バレエと、ABTのレポートを中心に、ニューヨークらしいレポートをお送りします。

ニューヨーク・シティー・バレエの「ヒア・アンド・ナウ」

4月29日から6月29日までの2ヶ月間、リンカーンセンターのニューヨーク・ステート・シアターにて、ニューヨーク・シティ・バレエの春の公演が上演されました。

『ロココ・ヴァリエーションズ』
私が観た公演は、5月31日夜8時開演のものです。「ヒア・アンド・ナウ」という演目で、4つの小品集です。

『ロココ・ヴァリエーションズ』は、チャイコフスキー作曲の18世紀の音楽を使って、クリストファー・ウィールドンが振付けた、今年2月初演の作品です。ダンサーは、プリンシパルのスターリング・ヒルティンら4名。衣装もロココ調で美しく、女性はスソにゴールドの柄が入ったワインレッドの膝丈ドレス、男性はベージュのタイツにブラウスでした。
男女2組のペアが、ロココのゆったりしたリズムの音楽で、軽快に踊りました。このペア2組が同じ振付を踊るところと、お互いが鏡合わせのように踊るところがありました。踊っているまま、幕が閉じたところも印象的でした。

『オルトレマーレ』
『オルトレマーレ』は、初演は今年1月。振付はマウロ・ビゴンゼッティで、バレエベースのコンテンポラリーのような踊りでした。プリンシパルはマリア・コワルスキー、ティラー・ペック、タイラー・アングル、アマール・ラマサールです。音楽はブルーノ・モレッティ作曲のものです。ミュージカルのような、物語がある作品です。(こちらの作品は、全く同じプリンシパルダンサーによる公演について、今年3月号に書いた内容と重なるため、省かせていただきます。)

『リバー・オブ・ライト』は、チャールズ・ウオリネンの曲で、ピーター・マーティンス振付の、1998年6月初演です。ウオリネンは、ニューヨーク出身の作曲家で、ミュージカル界で40年以上活躍、240曲以上作曲しています。1970年に最年少で作曲家としてピュリッツァー賞を受賞しました。今回の曲『リバー・オブ・ライト』は、ニューヨーク・シティ・バレエのために作られたものです。とてもニューヨークらしいコラボレーションですね。この曲は、不規則なリズムの不協和音が印象的で、ストラヴィンスキーの音楽を思い起こさせるものでした。
ダンサーは、プリンシパルのスターリング・ヒルティン、ジャレド・アングルら6名です。衣装は黒のレオタードとタイツです。曲のリズムが一定ではないので、振付けも踊るのも困難であったと思います。トゥシューズを使ったクラシック・バレエ・ベースですが、曲調に合わせるように、現代的な振付でした。

『コンサート・トゥ・DSCH』は、ディミトリ・ショスタコヴィッチ作曲の音楽を使ったアレクセイ・ラトマンスキー(ボリショイ・バレエ芸術監督)振付の作品で、ニューヨーク・シティ・バレエのために作られ、今年5月29日初演です。音楽はオーケストラに乗せたピアノの生演奏でした。
プリンシパル・ダンサーは、ウェンディ・ウェラン、アシュリー・ボーダー、ベンジャミン・ミルピード、ホアキン・デ・ルス、ゴンサロ・ガルシアです。19名のダンサーが出演しました。衣装はレオタードなど地味なもので、色違いで白、黒、ピンク、グレーなどでした。
プリンシパルたちのペアが一組ずつ出てきて、その周りを大勢の群舞が踊るというシーンが、何種類も組み合わされて構成されており、とてもきれいでした。最後は、3組の男女ペアがみんなリフトをして、女性をくるくる回したまま幕が閉じました。

『コンサート・トゥ・DSCH』 『コンサート・トゥ・DSCH』