ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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 皆様、こんにちは。このコラムを私が連載させていただき始めて、5周年を迎えました。ご愛読ありがとうございます!早いもので、5年も無事に続けさせていただけたことに、感謝しています。引き続き、ニューヨークらしいバレエ、ダンス情報をお届けするように努力します。よろしくお願いします。ニューヨークは4月には桜が満開になり、モクレンなどのお花も咲き乱れていて、春真っ盛りです。寒く厳しい冬が続いたニューヨークにも、新緑が芽吹く新しいエネルギーに満ちた気持ちのいい季節がやってきました。5月はニューヨーク・シティ・バレエのシーズンなど、ダンス公演が活発になってくるので、これから楽しみです。

「HACHI プレゼンティング・シリーズ」

 ニューヨークで知り合ったダンサーの、スサーナ・スタンコビックから連絡があり、彼女も出演しているニューヨークのダウンタウンで行われている、アンダーグラウンドな感じの小さなショーケースを観に行ってきました。 (以前、こちらのコラムに彼女のダンスカンパニーの公演についてレポートしたことがあります。日本人ダンサーの福田純一も出演しました。スサーナは、タップダンサーの第一人者のセヴィオン・グローバーの公演にもゲスト出演していて、その様子もこの過去のコラムでレポートしました。)

 これは、ジェニファー・ミューラーが芸術監督のザ・ワークスというダンスカンパニーが主宰している「HACHI」というショーケースで、1997年から行われているそうです。土曜日の晩に開催され、ニューヨーク中のダンサーたちが、ソロや複数人など、実験的な振付を披露します。入場料は10ドル。たまには、このようなニューヨークのアングラらしいダンスの空気をレポートして、日本のダンスファンの皆様にお届けするのもいいなあと思いまして、今回、初めてコラムに書いてみます。

 私が行ったのは4月19日。夜8時開演で、出演演目は7つ、休憩を入れて1時間ちょっとくらいで終了しました。その後は、ダンサーと聴衆を集めてのディスカッションが30分くらい行われました。 全体的に、やっぱりまさにアングラな“ニューヨーク・ダウンタウン系”で、とても面白かったです。

 一言で言うと、「わけが分からない踊り」、「何が言いたいのかよく分からない」、「不思議系」、「不協和音系」のような感じです。振付自体は特に難しいテクニックは使われていませんが、おかしなこと、変わったこと、とっぴなことをしまくった感じのダンスでした。ダンサーたちも、普段発表できないような実験的な振付を発表しているのでしょうね。すごくおかしな衣裳で出てきている人たちもいました。こういうのがニューヨークらしいダンスといえるのではないでしょうか。

 さて、注目のスサーナは、『サクリファイス』という作品でした。ソロで踊っていて、男性が一人、端役で少し出てきました。この作品については、「レビューと批評は書かないでくださいね」とスサーナが言っていたのですが。彼女自身も、まだ公に発表するかどうか分からない、とても個人的で実験的な作品なのでしょうね。こういうものこそ、なんだかワクワクして鑑賞しました。楽しかったです。
スサーナは、ダンサーというだけではなく、顔の表情や動作にすごく感情がこもっていて演技が上手です。女優としてもやっていけるくらいです。ダンサーと女優と振付家を兼ね備えた、珍しい本格派クラシックバレリーナ&ダンサーです。私は、密かに、彼女にとても注目しています。
http://www.jmtw.org/professional_training_programs.html