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ABTの『ラ・バヤデール』『ザ・ドリーム』ほか

 5月14日から7月7日まで、メトロポリタン・オペラ・ハウスにて、毎年恒例のABTの公演がありました。今年は、世界初公演の『眠りの森の美女』がありました。素晴らしかったです。たくさん作品を観たので、今月号と来月号の2回に分けてレポートをお届けします。

『ラ・バヤデール』
イリーナ・ドヴォロヴェンコ
5月19日に、『ラ・バヤデール』を観ました。プリンシパルは、二キヤ役はイリーナ・ドヴォロヴェンコ、ソロル役はマクシム・ベロセルコフスキーでした。ジリアン・マーフィーもガムザッティ役ででていました。
 オーケストラの生演奏にのって踊りますが、この作品の音楽は、ハープの音色が美しい、素晴らしいものでした。作品自体の詳細は、以前のレポートと重なりますので省略いたします。
 第3部で構成される、長時間の広大な作品です。

 第1部の中で早くも、プリンシパルたちの大技が登場し、ソロが続きました。ピルエット15回転などです。大技のたびに大拍手と歓声がおこりました。

第2部で、今回は、加治屋百合子のソロもありました。とても安定した踊りで、彼女は手や肩、腕と首の表情が優しく神経が行き届いた素晴らしい踊り方をします。さすがです。早くもABTでだんだんと頭角を現してくれていて、嬉しいですね。だんだん、シーズンごとに、目立つ役を踊るようになってきています。

第3部では、寺院のシーンで、寺院の黄金色の仏像だと思うのですが、全身ゴールドに塗りたくった男性が両手の指を輪っかにしてエジプシャンのような動きで踊り始めました。大技もでてきて、観客はこの最初のシーンですでに大きく盛り上がりました。
そこでソロルとガムザッティの結婚式が行われようとしていました。2人の周りを両手に電球を持った大勢でてきてぐるぐると回って取り囲んで踊りました。これはとてもきれいでした。

そこに、亡くなってしまった二キヤの亡霊がでてきて、2人の邪魔をして引き裂こうとします。最後は、寺院ごとガラガラと突然崩れ落ちて、みんなそれに巻き込まれて死んでしまって終わりです。


『シンフォニー・コンチェルタント』
ミシェル・ワイルズ
『ザ・ドリーム』
ジリアン・マーフィ、デビッド・ハルバーグ
5月26日にも公演を観に行きました。2つの作品のプログラムです。
『シンフォニー・コンチェルタンテ』では、ミシェル・ワイルズ、ヴェロニカ・パールト(ソリスト)、マクシム・ベロセルコフスキーが主役で踊りました。1947年初演の、ジョージ・バランシン振付の作品です。音楽はモーツァルトです。バランシンらしい、エレガントなクラシックバレエです。
22人の女性たちの群舞もきれいでした。2人の主役の女性たちはティアラをつけて白いチュチュで、ソロで交互にたくさん踊りました。パ・ド・ドゥや、男性一人で女性2人を支えて踊るところもありました。


『ザ・ドリーム』では、フェアリーランドの女王タイタニア役にジリアン・マーフィー、キングのオベロン役にデイヴィッド・ホールバーグ、パック役にカルロス・ロペス(ソリスト)が、主役で踊りました。これは、1964年に英国ロイヤルバレエ団が初演の作品です。(フレデリック・アシュトン振付、メンデルスゾーン音楽、シェイクスピア『真夏の夜の夢』原作)

 舞台セットもとても素晴らしく、色彩もきれいで、夢のような舞台でした。フェアリーランドのお話しなので、たくさんの背中に羽がついた妖精たちがでてきて、とても楽しめました。妖精たちの衣装は淡い水色や緑で、可愛かったです。踊りはとてもスピード感があるもので、素早く走り回っていて、まるで妖精が羽ばたいているように見えました。

 森の中の場面になり、物語は次々に展開していき、テンポが早くて引き込まれるような舞台でした。途中、可愛い女の子たちのコーラス隊の歌もありました。

 ここでも、加治屋百合子が4人のフェアリーで踊っていて、目立つ役でした。