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●マーク・モリス・ダンス・グループの5つの小品集

 4月19日から23日まで、BAMでマーク・モリス・ダンス・グループの公演が行なわれました。 マーク・モリスは56年シアトル生まれで、80年に自らのマーク・モリス・ダンス・グループを創立し、100以上の作品を創作しました。本拠地はニューヨークです。 88年から91年まで、ブリュッセルの王立モネ劇場のダンスのディレクターを務めました。90年には、ミハイル・バリシニコフと共に、ホワイト・オーク・ダンス・プロジェクトを創立しました。 彼は、現代のアメリカを代表する振付家で、数多くのダンス・カンパニーに振付を提供しています。地元のコンテンポラリー・ダンサーたちの間では、彼は絶大な人気を博しています。

 今回の公演は、5つの小品集です。音楽はほとんど生演奏でした。最初の『フロム・オールド・セビージャ』は、コメディー風のふざけたフラメンコでしたが、マーク・モリス本人が出演して踊っていました。ダンサーは女性と2人でした。“なにか、ダンサーにしてはお腹の出た、とても太った男性が出ているなあ、なぜかなあ”と思っていましたが、プログラムを見ると、彼がマーク・モリスでした。現役ダンサーを引退してディレクターになると、お腹が出てくるのですね。ギャグで、大げさな振付や、何度もカッコつけて行ったり来たりする彼を見て、観客は大笑いして受けていました。

 2つ目の作品の、『サンバディーズ・カミング・トゥー・シー・ミー・トゥナイト』が、一番よかったです。 93年の作品です。オーケストラの生演奏と、ソプラノ、バリトンの歌もあり、9曲で構成されていて、音楽もとても良かったです。振付はクラシック・バレエがベースになっていました。 ジャンルで言えば、コンテンポラリーです。シンプルですが、メロディーとリズムに合った、面白い振付でした。例えば音に合わせて、3人くらいが互い違いに同じ動きを重ねていったり、 独特な動きの、ゆっくりした個性的なものです。自由で、詩のような踊りでした。とても明るく、ファニーな感じが伝わってきましたが、これは、マーク本人の人柄が表れているのでしょう。

 他の作品も、全体的に、似たような感じの振付でした。彼のカラーが強く表れていると思います。急に止まったり動いたり、とてもメリハリのある動きが多いです。