ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From New York <ニューヨーク>: 最新の記事

From New York <ニューヨーク>: 月別アーカイブ

オーストラリアの音楽で踊られた<シドニー・ダンス・カンパニー>の舞台

2月17から22日まで、ジョイスシアターでシドニー・ダンス・カンパニーの公演が行なわれました。白い砂、青い海のビーチのイメージのオーストラリアからやってきたカンパニーです。東京出身の日本人ダンサーアサノ・ワカコさんが出演していました。コスチュームデザイナーも日本人で、イソガワ・アキラ氏です。このカンパニーは、1969年にNSWとして創立されました。 1976年から現在まで、芸術監督は振付家でもあるグレーム・マーフィーです。彼は、振付家として自分のカンパニー以外でも活躍を続けており、オーストラリアン・バレエ、ネダーランズ・ダンス・シアター、ザ・ロイヤル・ニュージーランド・バレエなどの作品を創作し、カナディアン・オペラやメトロポリタン・オペラでも振付を行っています。1984年からはオペラ・オーストラリアの演出を始めました。
 
 今回上演した作品は、『イリップス』で、2002年の作品です。全編を通して、オーストラリアの作曲家マシュー・マーフィーのエレクトロニック音楽が使われています。7曲で、7つのシーンで構成されていました。最初、ちょうちんのような赤いランプが回りながら上に消えていくと、暗闇から、床に三角座りでうずくまって向こうを向いている女性の後姿が浮かび上がりました。舞台には、所々曲げられた太いパイプが1周して、覆われていました。タイトルのイリップスは楕円形ということなので、このパイプを差しているのでしょう。速い音楽が始まり、後ろからもう一人の女性が出てきて、女性2人がおそろいの振付で踊り、そこに男性一人が加わって3人で踊りました。次は早い音楽で、男女ペア2組の4人で、リフトで上げて踊ったり、4人同じ振付でピッタリそろって踊りました。その次は、男女のロマンティックな物語のある振付でした。途中、アクシデントがあり、天井から再び降りてきた赤いランプが、「バンッ」という大きな音をたてて破裂してしまいました。ダンサー達は飛び散ったガラスの破片に驚いてしまって、急に舞台の幕が降ろされ、アクシデントを告げる場内アナウンスが響きました。おそらく床のガラスを取り除いて、しばらくして再び幕が上がりました。
 
 観客が笑って受けていたのは、大きなお金入りの袋を持った2人の男性が、お金を狙って近付いてきた女の子に気を取られて、2人で女の子の取り合いになり喧嘩をしているスキに、女の子にお金の袋を持って逃げられてしまったというストーリーです。その後は、リフトを多用したり、飛び跳ねて走り周ったり、遠心力とスピード感を利用した、激しい振付もでてきました。