各作品に登場するのは、マリインスキーが世界に誇るスターたち。バレエ界の至宝ウリヤーナ・ロパートキナは残念ながら引退してしまったが、ヴィクトリア・テリョーシキナ、アリーナ・ソーモワ、エカテリーナ・コンダウーロワと、美しい舞姫たちがマリインスキーの伝統の優美で華麗な世界を堪能させてくれる。男性も今話題の的のテクニシャン、キミン・キムを筆頭に、ティムール・アスケロフ、ザンダー・パリッシュ、ウラジーミル・シクリャローフ、そして前回の来日公演で注目を集めたフィリップ・スチョーピンと、期待の実力派がそろっている。
さらに今回注目されるのが、永久メイ、石井久美子というふたりの日本人バレリーナだ。永久は昨年研修生として参加し、今年正式入団してすぐにセカンド・ソリストに昇格するという出世ぶりで、バレエ団の期待のほどがわかるというもの。11月28日（東京）と12月１日（兵庫）に《ドン・キホーテ》のキューピッド役、11月30日（兵庫）と12月７日、８日夜（東京）に《白鳥の湖》の王子の友人役、12月２日、３日に《マリインスキーのすべて》の《海賊》のパ・ド・ドゥと《パキータ》のヴァリエーションで出演が予定されている。また前回2015年に続いて来日の石井も11月29日（東京）と12月１日に《ドン・キホーテ》の花売り娘役で登場する予定。世界最高峰のバレエ団で活躍するふたりの舞台に大いに期待したい。