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井澤照予、青木崇、末原雅広、佐々木大、藤本瑞紀、山本庸督など関西の優れたダンサーが揃った『海賊』

バレエ芸術劇場『海賊』バレエ協会関西支部主催

田上世津子;再振付、マリウス・プティパ、コンスタンチン・セルゲイエフ;原振付

関西の、"今"、旬のダンサーが揃ったと感じられる、とても良いソリストたちの踊りを楽しめる舞台だった。『海賊』は、14年前、このバレエ芸術劇場で上演するために、故・安積由高が、ロシア、サンクトペテルブルグに出向いて直接交渉し、キーロフ・バレエから原振付のセルゲイエフなど錚々たるメンバーを招いて上演した作品。当時の日本では、ヴァリエーションやグラン・バ・ド・ドゥ、パ・ド・トロワだけが踊られることは多かったものの、全幕の上演はほとんどない状況だったと聞く。そんな思い出の演目を、田上世津子が今回のダンサーに合うよう再振付けして上演した。

『海賊』メドーラ:井澤照予 撮影:古都栄二(テス大阪)

『海賊』ギュリナーラ:藤本瑞紀、ランケデム:山本庸督
撮影:金原優美(テス大阪)

主役メドーラは井澤照予、スワニルダなどの人形ぶりが可愛らしく似合うと感じていた彼女が、内面に凜と強いものを持った女性を好演。ビルバントの罪を毅然と追求する姿は、きっと、彼女が本来持っている強さなのだろう。全幕を通して、しなりを持っていきいきとした伸びやかな踊り、そこにその場面ごとの感情が自然に出ていて、引きこまれた。今、観る度に成長していると感じられるバレリーナだ。コンラッドの青木崇は、もう当然のようにバレエ・テクニックと気品の両方を兼ね備えて。最近、彼は、実はクセのある役など主役以外を踊るのを楽しいと思っているのではないかと感じることがあるのだが、さすがに主役は主役できっちりとこなす。

そして、裏切り者ビルバントは佐々木大。主役を重ねている彼が、先輩として脇を固めた。こういった役柄は、ともすると単なる悪役となりがちだが、佐々木は、場面場面の感情を自然な変化を持って演じ、さすがだった。また、佐々木が若い頃からパ・ド・ドゥなどで、もうかなりの回数踊っているだろうと思えるアリ役は、今回、末原雅広。ゴムのような柔軟性を持った動き、加えてコンラッドに仕える存在としての慎ましやかさも良かった。奴隷商人ランケデムの山本庸督の存在感、スケールを感じさせる踊り、彼とパ・ド・ドゥを踊ったギュリナーラ役、藤本瑞紀の、大人の憂いを持ち一曲のソロの中でも様々に変化する感情を表現する踊りも秀逸。男性ダンサーの充実はもちろんだが、女性ソリスト、メドーラとギュリナーラ、井澤と藤本の個性の対比も、舞台を見応えのあるものにしていると感じた。
また、松本真由美、平林万里、木岡多真美のオダリスクは、ロシア・バレエを真摯に学んでいることが感じられる上にベテランだからこその完成度。群舞もそれぞれの役割に真摯に取り組んで1つの舞台を創り上げていた。
(2017年1月28日 フェスティバルホール)

『海賊』ギュリナーラ:藤本瑞紀、ランケデム:山本庸督 撮影:金原優美(テス大阪)

『海賊』ギュリナーラ:藤本瑞紀、ランケデム:山本庸督
撮影:金原優美(テス大阪)

『海賊』撮影:岡村昌夫(テス大阪)

『海賊』撮影:岡村昌夫(テス大阪)

ビルバント:佐々木大、女海賊:堀端三由季 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

ビルバント:佐々木大、女海賊:堀端三由季
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

メドーラ:井澤照予、コンラッド:青木崇 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

メドーラ:井澤照予、コンラッド:青木崇
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

『海賊』撮影:古都栄二(テス大阪)

『海賊』撮影:古都栄二(テス大阪)

ギュリナーラ:藤本瑞紀、宦官:永山太加宏 撮影:金原優美(テス大阪)

ギュリナーラ:藤本瑞紀、宦官:永山太加宏
撮影:金原優美(テス大阪)

メドーラ:井澤照予、コンラッド:青木崇 撮影:金原優美(テス大阪)

メドーラ:井澤照予、コンラッド:青木崇
撮影:金原優美(テス大阪)

オダリスク:松本真由美、平林万里、木岡多真美 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

オダリスク:松本真由美、平林万里、木岡多真美
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

コンラッド:青木崇、ビルバント:佐々木大 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

コンラッド:青木崇、ビルバント:佐々木大
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

ワールドレポート/大阪・名古屋

[ライター]
すずな あつこ

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