ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2016.10.11]

生まれたての生きた音楽とダンサーの呼吸と筋肉の動き、素敵なスタジオ・パフォーマンスを楽しんだ

Studio de Danse Fusion-vol.5-
「偉大なる作曲家と音楽のための舞踏会」藤野暢央:構成・演出・振付

「偉大なる作曲家と音楽のための舞踏会」Studio de Danse Fusion-vol.5- がチャコット・ダンスキューブ勝どきスタジオで行われた。少々、立派過ぎるとも思われるタイトルが付けられていたがスタジオ・パフォーマンスである。
DANCE CUBEで「バレエ・ピラテスによるバレリーナのカラダ講座」を連載してくださっている藤野暢央の構成・演出・振付で、ピアノ演奏は佐藤美和、ゲストダンサーには西田佑子と富村京子を招いていた。
藤野自身とゲストダンサーふたり、そして7人のアンサンブルダンサーが踊った。
スタジオ・パフォーマンスだから空間が狭いのは当然で致し方ない。しかし、それだけにダンサーが観客と1メートルと離れていない、筋肉の動きまではっきり見える眼前で踊る。際どいバランスの取り方やリフトのタイミングの合わせ方などが、まるで自分が踊っているかのように感じられ、劇場では味わうことのできないドキドキ感がある。

tokyo1610f__IMG_4798.jpg (C) Chacott

8曲のプログラムが組まれていたが、まずヘンデルの『シャコンヌ』をアンサンブルダンサーが踊った。首周りとウェストラインに着けた細目の黒いベルトが、都会的な雰囲気を感じさせるアクセントとなっている白いチュチュのアンサンブルが華やかに踊った。続いてモーツァルトの『ソナタ K330 第3楽章』富村京子と藤野暢央のデュエット。アンサンブルダンサーによるショパンの『ワルツ WN29 』と続き、プーランクの『愛の小径』は西田佑子と富村京子のデュエットだった。ここで佐藤美和のピアノソロとなり、チャイコフスキーの『四季6月<舟歌>』が演奏された。やはり、生演奏のライヴパフォーマンスはいい。生まれたばかりの生きた音とダンサーの呼吸が相乗する、なんとも言えない緊張感が心地よい。
再びダンスの時間となりストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』よりを西田佑子、富村京子、藤野暢央が踊る。2人の女性に挟まれた男は幸せなのか、それとも辛いのか。感情の揺らぎがダンスによって現れ、ラフマニノフ=コチシュの『ヴォカリーズ』、ヒナテラスの『アルゼンチン舞曲』が一気に踊られた。
西田佑子の表情豊かで清潔感のあるダンス、富村京子の豊かさを感じさせる柔軟性、藤野暢央の安定感と活力のある踊りがバランス良く楽しめた。
チャコットの勝どきは、大江戸線の勝どき駅から徒歩約5分歩いた運河に面したところにあり、1階が店舗。2階がダンスキューブ・カフェとスタジオ、3階もスタジオとなっている。静かでレッスンに集中できそうな場所だった。
(2016年9月24日  Chacott DNCE CUBE Kachidoki Studio)

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Studio de Danse Fusion-vol.5-「偉大なる作曲家と音楽のための舞踏会」(C) Chacott