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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2009.03.10]

自然と親和するキミホ・ハルバートの新作『WHITE FIELDS』

キミホ・ハルバート 演出・振付『WHITE FIELDS』
ユニット・キミホ 新作 青山円形劇場
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 ベルギー生まれのイギリス人、キミホ・ハルバートを中心に、クラシック・バレエとコンテンポラリー・ダンスをともに活動の場としているメンバーが集まって作ったユニット・キミホ。2007年の『Garden of Visions』につづいて、新作『WHITE FIELDS』を上演した。前回は2000年から振付けてきた作品と新たに振付けた『GARDEN OF VISION』を組み合わせた公演だったが、今回は休憩つきの新作1本である。
舞台を横断する透明のベルト。その向こう側で誕生を示唆するシーンから始まり、水滴の滴る音などを交えつつ、静かな踊り、争ったり、喜び合ったり、戯れたりといったシーンが流れる。2脚の椅子を使った愛のダンス、水の流れる音も聴こえて、祭りのような交歓。そして枕投げから中味の白い発泡スチロールが舞台いっぱいに乱れ舞う。

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 ピュアな白のイメージが様々なヴァリエーションをともなって踊られていた。動きには激しいところもあるが、女性的なセンスで創られ構成されているので、優しさが感じられ、それが自然と人間の営みの親和になっているところが、キミホ・ダンスの特徴だろうか。
後半は、舞台に巻き散らされた白い断片をダンサーたちが拾い集め、雪山のように積み上げたり、コーナーに運んだり、社会的な分担が自ずと生まれ成り立っていく。群舞もそうした情景を描く。キミホと平原慎太郎のパ・ド・ドゥがあり、ゆったりとした群舞も踊られる。
そして再びオープニングと同じ舞台を横切る透明の帯に、ダンサーたちが思い思いの形を白い絵の具で塗っていく。これは自然と調和した心によって新たに描かれた抽象画。White Fieldに描かれた自然の象徴である。
そのFieldに照明が当てられて、抽象画の影がダンサーの身体に映り、まるで森の中で木漏れ日を浴びているかのように見えた。
(2009年1月31日 青山円形劇場)

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