ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Tokyo <東京>: 最新の記事

From Tokyo <東京>: 月別アーカイブ

関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.12.10]

本間祥公舞踊生活45周年公演で『ヒマラヤの狐』他を上演

 藤井公・利子夫妻に師事し、現在は松戸を拠点として活動している本間祥公が、舞踊生活の45周年を記した公演を開催した。
第1部は、チャイコフスキーの『くるみ割り人形』の第2幕を再構成した『クララと花園』。第2部は、山口華子振付の『To each, his own』と藤井夫妻振付の『ヒマラヤの狐』で、「現代の若者の作品と30年近く昔の作品を並べ」たという。
第3部は、世代間の継承をテーマとした本間祥公の構成・振付による『Light』。

『To each, his own』は、舞台奥中央の通路に大きなピンクの花が描かれ、3人の女性ダンサーが踊る。花の通路を通って男性ダンサーが現れ、3組のカップルが踊る。そし て、3組カップルとも花のかなたに退場するが、再び2名の男性ダンサーだけが登場して戯れる、というもの。生命の不思議なエネルギーを捉えたダンスだっ た。
ブルーの透明感のある光がフロアーを照らし、下手手前に小さなランプが光を放つ舞台で、『ヒマラヤの狐』は始まった。イエローの薄物の衣裳を纏った本間 が登場し、伝統的な受け継がれ淘汰されてきたメロディの曲とパーカッションで、ゆっくりと、時には喜びにあふれて床を転げ回り、ランプの炎に秘められた火 の神秘と交歓し、命そのものの躍動を踊る。
しかし、光がすこしづつ薄らいで、闇とともに死がやって来る・・・。命の一生の変幻をソロダンスで表した優れた振付だった。
そして『Light』は、プロローグから「滅びゆくもの」「光と影」など、光の光芒に託した断章により、本間祥公の舞踊生活とその先を照らすダンスである。ダンスは、やはり光とともに歩んでいくも、と納得させられた公演だった。
(2008年11月24日 メルパルクホール)