ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.11.10]

カレイドスコープのPROJECT KATEIDO vol.2 Program[a]

 二見一幸が率いるダンス・カンパニー・カレイドスコープが、Program[a]として3演目の公演を行った。
『Lambent』は07年に初演した作品。舞台左右に、黒いトップに赤いスカートと黄色のスカートのを着けた女性ダンサーが椅子に座っている。バトンの 左右に吊るされたライトが降りてきて、それを中央の男性ダンサーがバランスをとる。光が揺れて、3人のダンスを淡く照らす。ダンスのバランスがランダムな 光りの揺らめきの中に見えてくる作品だった。
『Frolic』は新作。素の舞台に、白いトップとチェックのミニスカートを着けた13名の女性ダンサーのダンス。数名のグループのシンプルな動きを短い シーケンスで次々と展開し、途中で幕をフロア寸前まで降ろし、一列に並んだミニスカートの脚の動きだけを見せる。ちょっと遊びを入れたスポーティなダンス だった。
『Repetition of What』も新作。こちらはぐっとシックな大人の雰囲気で、7組の男女の全員が黒い衣裳を着け、素の舞台にチェロの生演奏で踊る。
それぞれのダンサーが踊るうちに、チェロにリズム音が加わり、男女ペアの踊りになるのだが、2組のペアから始まって次第に増え、ついには7組全員が同じ 舞台上で同じ動きを続ける。なかなか迫力あるシーンだったが、チェロの演奏に戻ってペアがほどけ、それぞれの踊りが続く。すると突然、崩壊音とともにス ポットを浴びて二見のシャープなソロ。そして全員が登場して強烈な逆光の中に、シルエットを浮かべながら背景の中に消えていく、というエンディング。
ダンスの流れはじつにスムーズ、動きの展開、シーケンスの長さ、ダンサーの出入りも破綻がない。端正なダンスだが、もうひとつ大胆な、自身の美学を破壊してしまうような試みがあってもいいのではないか、そんな気もした。
(2008年10月25日 シアター1010)