ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.11.10]

上田遙ダンスリサイタル2008

  まずは「サーカス・サーカス」。サーカスに登場するキャラクターをいっぱい使い、宮川彬良のピアノと森由利子のヴァイオリン、上田樹のパーカッションの生 演奏にのせて踊る。フロアに光りの線を映して、その上をヴァイオリンの演奏をバックに綱渡りする上田が笑いを呼ぶ。ピアノの宮川はもちろん、ヴァイオリ ン、パーカッションが味を出し、楽しいヴァラエティ風の一幕だった。
続いて「Beet Generation」。上田樹のドラムと黒い衣裳のフラメンコが鋭い踊り。ビートの利いたドラムとフラメンコの競演が素晴らしい。柳瀬真澄、内田香の踊りが際立った。
最後は上田遙の舞台ではお馴染みになった「翼の見る夢」Vol.3。
サラリーマンの上田遙、その妻は尾本安代、そして西島千博の天使、といったキャストと宮川彬良の音楽が基本。
今回は、これも定位置となりつつある橘るみの盲目の少女の視力を、天使が自ら傷つきながら回復させる、というセンチメンタル・ストーリーだが、天使の西 島千博が大活躍。天使を表現するのに相応しいバレエのパを駆使して、情感をたっぷりと滲ませて、観客をぐいぐいと引っ張っていく。佐藤一哉を始めとするい つもの脇役たちも、ほぼ完璧に役どころを掴んでいるので、客席は安心して楽しんで観ている。
上田の演出・振付による、エンターテインメントに徹したダンスの舞台が、宮川の音楽と西島の天使によってまとまり、定番になっている。
(2008年10月12日 草月ホール)