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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.07.10]

NBAバレエ団の15周年記念公演、トゥールビヨン

NBAバレエ団の第5回トゥールビヨン公演は、『バッハ無伴奏チェロ組曲(第1番)』『まぼろしの島』『騎兵隊の休止』の3演目が上演された。
丸山泰雄の生演奏で踊られた安達哲治振付の『バッハ無伴奏チェロ組曲』は、2004年に初演したもに手を加えたという。古澤良のソロ、鷹西千香のソロ、 ヤロスラフ・サレンコのソロ、原嶋里会マクシム・グージェレフのデュオ、清水彩妃、深山圭子、関口祐美のトリオがオレンジのレオタードを着けて踊った。 バッハの無伴奏チェロと無駄のないシェイプアップされた身体の動きが、明快なラインを描いた。サレンコの安定したバランスのいい動きが目をひいた。

『バッハ無伴奏チェロ組曲』『バッハ無伴奏チェロ組曲』

『まぼろしの島』は、チェザレ・プーニ音楽、アントゥール・サン=レオン振付の『せむしの仔馬』(1864年初演)の第2幕をとりだしたもの。ナタリ ア・ボスクレシェンスカヤが再振付している。ロシア民話らしい独特の雰囲気の背景画と、美しい島の海底の美しい姫の館という幻想談が興味深い。ぜひ全幕の 復元も観たいと思った。

『まぼろしの島』『まぼろしの島』

『騎兵隊の休止』(1896年初演)は、マリウス・プティパの絶妙の一幕もの。村にやって来た騎兵隊の隊員や隊長と、娘たちの楽しいやりとりが、ちょっとアイロニーを効かして描かれている。
ロシアの帝室劇場に数多くの大作バレエを振付けてきたプティパが、ふと自分がフランス人であることを思い出して創ったような、気の利いたエスプリが味わい深い。やはり、ナタリア・ボスクレシェンスカヤが再振付している。
この『騎兵隊の休止』はNBAバレエ団のレパートリーとして定着している。これからもこうした舞踊史に埋もれてしまっている作品をとりあげて欲しい。
(2008年6月6日、メルパルクホール)

『騎兵隊の休止』『騎兵隊の休止』『騎兵隊の休止』