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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.04.10]

スターダンサーズ・バレエ団の新作『シンデレラ』



林、福原
 スターダンサーズ・バレエ団を中心に活動し、『ドラゴン・クエスト』や『MISSING LINK』などを振付けている鈴木稔の新作『シンデレラ』全2幕が初演された。音楽はプロコフィエフ。

父親が多忙なビジネスマンでほとんど家庭を顧みず、義母や義姉妹にいじめられているが、純粋で優しく清らかな心を失わないシンデレラの夢を鮮やかに浮かび上がらせることに腐心した演出・振付である。
孤独だが優しいシンデレラは、ネズミたちと仲良しだし、パンを乞いにきたおばあさんにも優しかった。じつは彼らは妖精で、父に買ってもらったばかりのドレスを義母、義姉妹に破られて、王子の舞踏会に行けなくなってしまったシンデレラを魔法を使って助ける。
舞踏会のシーンでは、王子が登場するまでは男性ダンサーに踊らせて雰囲気をしだいに高めていく。やがて王子が登場して、妖精たちによって美しく着飾った シンデレラを一目見て恋におちる。この二人の出会いのパ・ド・ドゥは、輝くばかりに初々しくじつに素晴らしかった。ネズミたちも人間の姿になって、夢の世 界に戸惑うシンデレラを懸命に励ましサポートする。

プロローグ風に王子が花嫁を探しているシーンを見せて、偶然、シンデレラと王子を見ず知らずの他人としてすれ違わせたり、父親をビジネスマンに設定するなど、すっきりとした現代的な感覚を感じさせる演出を施している。
ラストシーンは、王子とシンデレラが無事に結ばれ、父親と義母もまた和解するというハッピーエンドになっていて至極明快で馴染みやすい。
クールで無駄のない舞台美術は、レズ・ブラザーストーンに師事したという、二村周作でよく考えられて創られていた。
(3月15日、ゆうぽうとホール)

天木、佐藤、林、荻野小平、新田