ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Tokyo <東京>: 最新の記事

From Tokyo <東京>: 月別アーカイブ

関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.04.10]

北村明子によるレニ・バッソの新作『パラダイスローグ』

 北村明子が主宰するレニ・バッソが2年ぶりの新作『パラダイスローグ』を発表。東京公演は3年ぶりになるそうだ。そして夏には、この『パラダイスローグ』を持ってヨーロッパ、アジア・ツアーに向かう、という。

ステージの奥に6本のマイクが立っていて、その上には横長のスクリーン。舞台のセンターには金魚鉢が一個置かれている。その上に二つのパラボラアンテナ型のスクリーンが吊るされている、というセット。
このセットをフルに使って、全編にブランコが揺れる時に軋むようなノイズ、ダンサーのシャバダバなどの発声、赤い金魚(低い男性の声)と白い金魚(女性 の声)の会話やナレーション、そしてもちろん音楽(音楽監督、演奏は粟津祐介)、さらに様々の映像が映されそこからも現実音(映像・美術は兼古昭彦)、ス ポットを駆使した照明などが、才気煥発のダンスとよどみなく協和しながら進行する(照明デザインは関口裕二)。

全体にテンポの速い展開で、会話が行き違ったり、ダンスの動きが壊れたり、カップルが合わなかったりといった、ユーモアや軽い皮肉がこめられたクールな シーンが次々と創りだされる。リングやロープを使った動きもあるが、ほとんどの動きは北村自身がリードして始まり、ダンサーたちがそれぞれの感覚を見せ る。
モダンジャズの即興に対応したダンス、抽象的な映像と絡み合うダンスなどが印象的だった。とりわけ、ジャズの動きが素晴らしく、超低音の金魚の声とジャズのフィーリングが不思議な共振を感じさせていたのには、たいへん感心した。
(3月16日、パークタワーホール)