ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Tokyo <東京>: 最新の記事

From Tokyo <東京>: 月別アーカイブ

関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.10.10]

上野の森美術館展示スペースで踊られたJUNKO OKUDAの『透 tou』

上野の森の美術館では、「作家の視点」という52名の画家の作品が展示されている。そのスペースのコーナーに、白い紗幕でいく重にも仕切った中に、白い チュチュを着けてニットの帽子を被ったOKUDAがうずくまっている。やがて犬のように暴れて、コーナーから紗幕を引っ張って脱出。ロビーの広いスペース へと飛び出して踊る。
折から開催中の作家の視点が描く世界が交錯する中、展示された絵にも反応を示しながら激しく動く。

チュチュを着けてはいるが、動きには少年の純粋さが感じられる。まだ見ぬ未来への強い好奇心と、現在の居ても立っても居られないような居心地の悪さにまどろっこしくて仕方が無い、といった風である。OKUDAはさっぱりした好感のもてるキャラクターを持っている。
   
   

後半は、さらに広い展示スペースに観客ともども移動して、坂本弘道のチェロ演奏付き。OKUDAは黒いドレスに着替えて踊った。
美術館で絵を観る、という行為をダンスにデフォルメして始まった公演だが、様々の視点が行き交う空間に妖精が姿を現したような雰囲気の、なかなか可愛いダンスだった。

OKUDAは、オランダ王立ロッテルダム・ダンス・アカデミーに学んだ後、イスラエルやスイスでも踊った。2003年の日韓ダンスコンタクトで『静かな距離』を上演している。
  
  
(9月15日、上野の森美術館)