ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.09.10]

アクロバティック『白鳥の湖』/広東雑技団

ウ・ジェンダン、
ウェイ・バォホァ
 驚天動地とはこういうことをいうのだろうか。昨年の夏、アクロバティック『白鳥の湖』を観た時にそう思った。
オデットがジークフリートの肩の上でポワントで立っている!さらに、オデットはジークフリートの頭上で完璧なバランスをとり、ポワント立ちしてしまった!
なにがどうなっているのか、良く判らなかった。頭の上に人間がただ立つだけでも恐ろしい気がするのに、薄い頭蓋骨の上にポワントで立つなんて想像もでき ないことだった。しかし、それだけスーパーバランス、完璧なバランスを保っているから立つことができて、なおかつ美しいのだろう。
白鳥に扮して世界を驚かせたのは、ウ・ジェンダン、王子として彼女を支えたのはウェイ・バォホァである。ウ・ジェンダンは6歳で新体操を始めたがアクロ バットに転向。ウェイ・バォホァは13歳でアクロバットを始めたという。二人は1992年にペアを組むようになり、96年に広東雑技団に入団した。以来、 ずっとペアを組んでおり、私生活でも夫婦となって公私ともにパートナーである。
アクロバット『白鳥の湖』は、チャイコフスキーの音楽を使い、バレエの『白鳥の湖』の設定をもとにして、様々の曲芸を見せながら展開していく。本家の 『白鳥の湖』のもつ神秘的な雰囲気を活かして、マジカルなスペクタクルを次々と繰り広げるのである。もちろん見せ場は、白鳥と王子のこの世のものとも思え ない離れ業とその美しいアラベスクである。
 そして昨年彼らは、『白鳥の湖』を生んだ国、ロシアで公演を行い評判となり、ついには世界的名花、ガリーナ・ウラノワの名を冠したウラノワ賞 を受賞。02年にはサーカス界のアカデミー賞とも言われるモンテカルロ国際サーカスフェスティバルの最高の賞であるゴールデンクラウン賞も受賞している。
 ウ・ジェンダン、ウェイ・バォホァ
(8月9日、bunkamuraオーチャードホール)