ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.07.10]

谷桃子バレエ団のCREATIVE PERFORMANCE

谷桃子バレエ団の恒例の<創作小ホール公演>が行われた。
まずは、植田理恵子が振付けた『May I help you? 』から幕を開けた。これには「洋服たち」のお話、とプログラムに付記されている。
つまり、洋服が主役のダンスである。こんな色とりどりの服を纏うと、思わずこんなふうに踊りだしたくなる・・・・。ダンサーが纏う服によって、自然に生 まれてくるリズミカルな動きを構成している。女性ならではの発想による、楽しく洒落たダンス。
岩上純が振付けた『Elf of R』は、ローラン・プティの『若者と死』を想わせる、男と女の物語。紅いスーツの女と男が激しいロックから甘いメロディと共に踊り、最後は死を迎える。突き詰めた心に浮かぶ幻想をダンスによって描いている。
『May I help you? 』(20日)『Elf of R』(20日)
川瀬美和、三船元維

『白鳥』は、前田新奈が振付け、未国がテキストと音楽を担当している。
主人公は美容師のまい。踏切待ちの間に転倒して、幻影の王子の白鳥を見る。美容室に戻って、キングや店長、美容師たちとからむうちに、幻影の王子とパ・ ド・ドゥを踊り、幻影の中で結ばれる・・・といったストーリーが、かなり大胆なパロディ風の展開で描かれている。キングや店長もそれぞれ面白かったが、高 部尚子の客(クレーマー)が圧巻だった。

『白鳥』(19日)
緒方麻衣、桑原文生
『タンゴジブル』(19日)
齋藤拓、伊藤範子
『タンゴジブル』(20日)
(左より)今井智也、林麻衣子、日原永美子、
樋口みのり、長清智

  最後は日原永美子振付の『タンゴジブル』。キンテート・オセイロの生演奏にのせて、バレエの動き、コンポラリー・ダンスの動きを多用した活気あふれる現代 風のタンゴである。タンゴのスタッカートな動きを手際良くまとめ、ダンサーたちが鮮やかに踊っていた。バレエダンサーの踊るタンゴはなかなか味があり、滋 味豊かだった。
今回も谷桃子バレエ団の小品集には大いに楽しませていただいた。

(6月19日、東京芸術劇場小ホール)