ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2006.04.10]

東京シティ・バレエ団 meets 民族舞踊

 東京シティ・バレエ団が、いつもバレエを踊っているダンサーたちに、世界各国の民族舞踊を踊らせる、という興味深い公演を行った。六つの民族舞踊が踊ら れたが、それぞれが踊り終った後に山野博大と石井清子(理事長)がステージに現れ、解説と振付家やダンサーへの質問を行った。

インドネシアのバリ舞踊では、生活の中でかごを頭に乗せて歩く様子から生れたと思われる、目、手、腰の重心の低い動きが特徴的。中国は『奔馬』という、 馬の闊達な動きを舞踊にしたもの。モンゴルに近い中国の古典的な踊りである。ロシアは、今では隣国となったウクライナの踊り。『コッペリア』で見られるよ うな華やかな色彩が溢れる踊りだった。

最近の韓国の舞踊は、音楽や衣裳に韓国らしさを留めたコンテンポラリー・ダンスが流行しているそうだ。ユニヴァーサル・バレエでも踊っていたことのある キム・ボヨンの振付『暗闇の中』。躍動感あるダンスで、来日した当時、言葉もまったく分からなくて苦労したころのことを思い出して振付けたそうである。ス ペイン舞踊はバイレクラシコ。カスタネットとアバニコ(扇子)を使い、サパティアード(足を踏み鳴らす)で踊る。スペイン舞踊独特の道具と衣裳によって 踊った。

最後は日本。七五三以来という着物を着て、安達悦子が尾上紫の振付の『さくら』を踊った。安達は日本的な仕草や呼吸が特に難しかったと語っていた。
このようにバレエダンサーが異なったダンスに挑戦し、その実際の経験を話してくれる、という企画はたいへんおもしろかった。安達悦子の日本舞踊を見られたという眼福もあったし、東京シティ・バレエ団らしい楽しいひとときであった。
(3月9日、ティアラこうとう小ホール)


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