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[2005.07.10]

●中国国立中央バレエ団とNBAバレエ団の「トゥール・ヴィヨン公演」

 
 NBAバレエ団が第2回トゥール・ヴィヨン公演を、中国国立中央バレエ団のプリンシパルやソリストを招いて行った。

演し物は、中国側が『追憶』(音楽/バッハ、振付/フェイ・ボー)『夜の虹』(音楽/リヒャルト・シュトラウス、振付/ルディ・ヴァン・ダンツィヒ、再振付/ワン・ヤンヤン) 『五つの歌』(音楽/リヒャルト・ワーグナー、振付/ベン・スティーブンソン)、NBAバレエ団は『タランテラ』(音楽/ゴットシャルク、振付/アレキサンダー・ミシューチン) 『ボレロ』(音楽/ラヴェル、振付/執行伸宜)『コッペリア』第3幕(音楽/ドリーブ、原振付/プティパ、復元演出/ヴィハレフ)だった。
『五つの歌』は、ヒューストン・バレエの芸術監督だったベン・スティーブンソンがワーグナーの曲に振付たもの。 スティーブンソンはアメリカのバレエ団として初めて北京や上海などで中国公演を行った、また最近ではニーナ・アナニアシヴィリに作品を提供している。
 

『五つの歌』は、男性ダンサーが薄物を纏ったバレリーナを持ち上げ、空中に運びながら形を作るというなかなか難しい振付である。 バレリーナはほとんど床に着くことがないが、この一種人形振りのような動きが厳かな雰囲気を醸し、情感を美しく詠うのである。 中国人ダンサーの身体性は非常に調えられていて、破綻のない動きである。ただ、デティールの仕草などに普段あまり関心のない表現をしているな、といった気はしたが、総じて見事な舞台であった。

NBAバレエ団の『ボレロ』は、女性は総タイツで男性ダンサーはタイツだけを着けて踊られた。 女性ペアを中心とした構成だったが、音楽に合わせてしだいに舞台上に上がるダンサーの数が増えていく、オーソドックスなモダンダンス。流れの美しさが印象に残る作品であった。

『コッペリア』第3幕は、まず、その舞台から溢れ出るような色彩感に圧倒される。 プティパの振付をヴィハレフが復元しているのであるが、彼のクラシック・バレエの黄金時代への抜き去りがたい郷愁が、知らず知らずのうちに舞台に現れてい る、そんな感慨を抱かせるバレエである。
(6月18日、メルパルクホール)