ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2005.07.10]

●ザハロワ、ウヴァーロフが踊った新国立劇場の『ドン・キホーテ』

 1999年に初演された新国立劇場の『ドン・キホーテ』が再演された。 振付はプティパ、ゴルスキーに続いて、ボリショイ・バレエで踊り、芸術監督も務めたことのある、アレクセイ・ファジェーチェフが改訂振付としてクレジットされている。

ザハロワとウヴァーロフがボリショイ劇場からゲストとして招かれ、5公演のうち2公演を踊った。 美術・衣裳はオークネフだから、ほぼロシア人のスタッフとダンサーによって創られた舞台、といっても過言ではないだろう。

ザハロワは、コミカルなタッチの表現を見せようとそれなりの努力をしていた。 しかし、彼女自身の素晴らしいプロポーションと豪華絢爛の踊りがあれば、他にはもうなにも必要ないようにさえ思われる。 ウヴァーロフは、素のままで踊ればそのままこのバレエの美しさを表すことができる、そんな自信に溢れた堂々たる舞台姿だった。 見事なリフトもあったし、ボリショイ・バレエの特徴が際立った公演だった。ザハロワもボリショイ・バレエで育ったダンサーのように見え、キーロフ・バレエの香りはもうあまり感じられなくなった。

一言だけ苦言を呈すれば、プロローグの演出があまりにも具体的というか、スケッチ風の説明でおもしろ味がない。 プロローグらしく作品世界を象徴性をもって演出してもらいたいものである。
(6月25日)