ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi  
[2004.06.10]

●ダンス・ヴァンテアンは生誕100年を迎えたバランシン、アシュトン作品

 20世紀バレエ芸術を 創った二人の振付家バランシンとアシュトンは、今年ともに生誕100年となるが、牧阿佐美バレエ団のダンス・ヴァンテアンも10回の節目を迎えた。今、各 国のオペラハウスでバランシン、アシュトンの生誕100年記念公演が盛んに行われている。牧阿佐美バレエ団もそのレパートリーを構成して、20世紀のふた りの天才、それに加えてバランシンの下から育った最初のアメリカ人舞踊家ウィリアム・ダラーのバレエを上演した。

まずは『セレナーデ』。バランシンがスクール・オブ・アメリカン・バレエの生徒の練習用に創った作品だが、次々と展開するフォーメーションはヴァラエ ティに富んでおり、ダンスの流れが活き活きとした清新さを湛えている。新しいバレエを創造しようと試みる振付家の若々しさを肌で実感させる舞台である。こ の作品をレパートリーとしている牧バレエ団のダンサーは、誇りをもって踊っているように見えた。『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』は、橘るみと菊地研の 若いペア。橘るみは相変わらず落ち着いてソツのない踊り。菊地研はすらりとして整った身体性を持っている。もっと思いきって動いてもいいとも思うのだけれ ど。

『コンスタンチア』は、『セレナーデ』を始め『コンチェルト・バロッコ』『フォー・テンペラメンツ』などのバランシン作品をオリジナルキャストとして初演 したウィリアム・ダラーの振付である。熱烈に愛した女性コンスタンチアやジョルジュ・サンドを登場させて、ショパンの生涯を描いている。コンスタンチアを 踊った伊藤友季子が楚々として美しい印象を残した。

アシュトンが英国ロイヤル・バレエ団の創立25周年のために創った『誕生日の贈り物』がトリだった。テアラときらびやかな衣裳を着けた7人の女性ダン サーと7人の男性ダンサーが、古典的なデヴェルティスマンを踊った。アシュトンがプティパに捧げたオマージュで、気品をそなえた典雅な振付である。牧バレ エ団のとりわけ女性ダンサーのレベルの高さをみせた舞台であった。(5月23日、ゆうぽうと簡易保険ホール)

『セレナーデ』

『コンスタンチア』

『コンスタンチア』

『誕生日の贈り物』