ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2004.04.10]

大駱駝艦・天賦典式『海印の馬』振鋳・演出・美術/麿赤兒

 1980年に初演された有名な麿赤兒の傑作、『海印の 馬』が久しぶりに再演された。( 3月25日、世田谷パブリックシアター)
初演は京都曼殊院横特設盤船伽藍である。この時は、京都を一望のもとに見渡せる山の上の野外公演だったから、 舞台の周囲を囲むように吊るされていた戸板を、いっせいに落とすと、京都の全貌が浮かび上がる、 というとびっきりのスペクタキュラーな仕掛けが組まれていたのだそうだ。
舞台では、戸板の裏から、つぎつぎと陰翳を刻印された絢爛豪華のイメージが姿を現す。 筆舌に尽くしがたいといおうか、想像力の臨界の突破といおうか。野武士の亡霊が女と戯れたり、 深紅のドレスを纏った幻影の少女たちのダンス、白塗りのダンサーたちは鬼気迫る奇態を繰り広げる。
まるで、華麗な幻想の絵巻物を観るような、今日ではなかなか得ることのできない歌舞いたパフォーマンスであった。

『海印の馬』