ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2015.12.10]
From Osaka -大阪-

深川秀夫の存在感たっぷりなコッペリウス──宮下靖子バレエ団の創立60周年記念公演

宮下靖子バレエ団
『コッペリア』深川秀夫:演出・振付

『コッペリウス』・・・というタイトルでも良いかもしれない、そんな風に思ってしまう『コッペリア』だった。

osaka1512c_0593.jpg 深川秀夫 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

演出・振付の深川秀夫がコッペリウス役、幕開けはコッペリウスの登場からで、全幕通して存在感たっぷりに楽しませてくれた。68歳ということだが、演技で引き込むのはもちろん、トゥールの軸もまっすぐでさすが、日本のバレエの初期にモスクワやヴァルナのコンクールで銀賞に輝いてヨーロッパのバレエ団で活躍して来た人なのだということをあらためて。
もちろん、かといって、スワニルダ(井澤照予)&フランツ(吉田旭)の存在感が薄かったわけではない。井澤は華奢で美しいラインを持った上で、チャーミングな女の子らしい甘い魅力を持ったダンサー。そんな彼女に、スワニルダという役はとても合っていた。また、深川の演出で、1幕でスワニルダは地面に突っ伏して怒ったり、2幕も独特の変化に富んだ演出だったが、それも彼女の持ち味からとても可愛らしく見えた。ところで、こんな思い切った振付をプリマに・・・と思ったら、ジョン・クランコの『じゃじゃ馬馴らし』を思い出した。そういえば、深川はシュツットガルトでクランコの元にいたことがある、脈々と繋がるものがあるかも知れない。また、吉田も美しいラインでパを見せながら、茶目っ気たっぷりに楽しいフランツを演じた。
3幕は、通常の祈りや仕事……といった形ではなく、音楽を自由に解釈して創られた深川オリジナル。どの踊りも女性は白系に金飾りのチュチュ、男性も同様の配色の衣裳で踊り繋いでいく。パ・ド・トロワを昨年の『白鳥の湖』でオデットを踊った石塚あずさが窪田弘樹と武藤天華とともに伸びやかなラインを見せて踊るなど印象に残った。ラストのグラン・パ・ド・ドゥもオリジナリティのあるチャーミングな振付、コーダのフェッテでは方向を変えながら安定して回るなど高度なテクニックも楽しませてもらった。
(2015年11月8日 びわ湖ホール大ホール)

osaka1512c_0519.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1512c_0679.jpg 吉田旭、深川秀夫 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1512c_0702.jpg 撮影:文元克香(テス大阪) osaka1512c_0730.jpg 井澤照予、深川秀夫 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1512c_0802.jpg 井澤照予、深川秀夫 撮影:文元克香(テス大阪) osaka1512c_0847.jpg 井澤照予 撮影:文元克香(テス大阪)
osaka1512c_0889.jpg 井澤照予、深川秀夫 撮影:文元克香(テス大阪) osaka1512c_1267.jpg パ・ド・トロワ 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1512c_1288.jpg 『コッペリア』 撮影:岡村昌夫(テス大阪)