ノーザン・バレエの脇塚優と松田えりかが中心に踊った『ボレロ』などを舞台上のオーケストラとともに

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

ニューイヤー祝祭コンサート

カンパニーでこぼこ:振付・踊り

新春、1月3日にザ・シンフォニーホールで行われた「ニューイヤー祝祭コンサート」。守山俊吾指揮、ニューイヤー祝祭オーケストラ演奏で、オペラアリアを楽しめるこの催しに、カンパニーでこぼこがバレエで出演するのが恒例になっている。バレエが出演した演目を紹介したい。
今年もオープニングは『美しく青きドナウ』。ベテランの安心感とキュートな持ち味を合わせ持つ福井友美と榎本心を中心に、パステルトーンの衣裳で群舞とともに新春の喜びを表現。
中盤では、岡田倖奈と脇塚力が『白鳥の湖』よりアダジオ。あの2幕のアダジオではなく、プティパ・イワノフ版では使われなかった曲を使っての爽やかな踊り。2人ともの、元気で気取らない雰囲気が印象に残った。

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『美しく青きドナウ』
福井友美、榎本心 撮影:Art Link 正木万博

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プロコフィエフ『ピアノ協奏曲第1番変ニ長調Op.10』
踊り:榎本心、ピアノ:村上祥子
撮影:Art Link 正木万博

休憩を挟んでの2部の幕開け、プロコフィエフ『ピアノ協奏曲第1番変ニ長調Op.10』を村上祥子のピアノで榎本心が踊った。榎本の滑らかさを持ったナイーブな踊りが良い。
バレエは出演しなかったが、印象に残ったのはソプラノの末廣亜矢子のベッリーニの歌劇『聖教徒』より「あの優しい声が」。独特の個性を持ったこの人の歌をまた聴きたいと思う。
そしてラストは、ラヴェルの『ボレロ』。中心を踊ったのは松田えりかと脇塚優。脇塚優は、2023年にアメリカのヒューストンバレエからイギリスのノーザンバレエに移籍したようだが、益々伸びているのを実感。シャープな踊りに磨きが掛かっていた。そして、松田は小悪魔的なジャパニーズビューティーという感じ。群舞とともに迫力を持って観客を惹きつけた。
(2024年1月3日 ザ・シンフォニーホール)

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『白鳥の湖』よりアダジオ
岡田倖奈、脇塚力 撮影:Art Link 正木万博

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『ボレロ』
脇塚優 撮影:Art Link 正木万博

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『ボレロ』
松田えりか、脇塚優 撮影:Art Link 正木万博

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『ボレロ』
松田えりか、脇塚優 撮影:Art Link 正木万博

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『ボレロ』撮影:Art Link 正木万博

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