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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2014.09.10]
From Osaka -大阪-

ウィーン国立歌劇場バレエの橋本清香&木本全優を中心にした『くるみ割り人形』

山口けい子バレエリサイタル
『O solitude』中村恩恵:振付ほか

神戸市の本山にあった山口けい子バレエのスタジオは、20年前の阪神・淡路大震災でなくなってしまったのだという。その本山スタジオに幼い頃に通っていた2人のダンサーが里帰り出演しての舞台となった。1人は、中村恩恵主宰「Dance Sanga」で活動する苫野美亜、もう1人は、ウィーン国立歌劇場バレエ団のソリスト・橋本清香。橋本は共にウィーンで活躍するパートナー、木本全優とともに出演した。

osaka1409b_05.jpg 『O solitude』撮影:波片一乃(テス大阪)

バレエコンサートから始まった舞台、さまざまなヴァリエーションやパ・ド・ドゥ、小作品が上演された。その最後は『ヴェニスのカーニバル』よりグラン・パ・ド・ドゥ、踊ったのは清川留三子とアンドリュー・エルフィンストン。レディとジェントルマンといった風情の細かい表情の作り方がチャーミング、加えて大人の香りも感じさせた。
コンテンポラリー作品、中村恩恵振付『O solitude』を踊ったのは、前述の苫野美亜。コントロールの効く身体を使った滑らかな動きで、孤独感の中で “何か” を探す。
そして、最後は『くるみ割り人形』より雪の国とお菓子の国のシーン。中心を踊ったのは、ウィーン国立歌劇場バレエ団の橋本清香と木本全優だ。とにかく、2人が登場するだけで、そのスケールの大きさに引き込まれた。橋本の長い手脚、木本の美しい甲、アントルシャもパ・ドゥ・シャも驚くほどに甲が出ていて目が釘付けになった。お菓子の国で金平糖の精のチュチュを着た橋本は、また一段と手脚の伸びやかさが際だち、180度のパンシェも優雅でなめらか。観客を魅了したのはもちろん、共に出演した後輩たちにとって、良いお手本になったことは間違いないだろう。
(2014年7月27日 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール)

osaka1409b_02.jpg 『ヴェニスのカーニバル』撮影:金原優美(テス大阪) osaka1409b_16.jpg 『くるみ割り人形』撮影:金原優美(テス大阪)
osaka1409b_08.jpg 『くるみ割り人形』撮影:金原優美(テス大阪) osaka1409b_26.jpg 『くるみ割り人形』撮影:波片一乃(テス大阪)
osaka1409b_27.jpg 『くるみ割り人形』よりお菓子の国
金平糖の精:橋本清香、王子:木本全優 撮影:金原優美(テス大阪)