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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.09.10]
From Osaka -大阪-

パケット、サイズ、マレムなどが踊ったパリ・オペラ座の珍しいプログラム

有馬龍子バレエ団
『ラ・ヴィヴァンディエール』ピエール・ラコット:振付、『サラバンド』、『スパルタクス』よりパ・ド・ドゥ、『シェヘラザード』よりパ・ド・ドゥ、『アルカード』アティリオ・ラビス:振付

日本ではほとんど観ることのできないパリ・オペラ座らしい演目を楽しませてくれるプログラムだった。『ラ・ヴィヴァンディエール』はピエール・ラコットの振付だが、後の4作品『サラバンド』、『スパルタクス』よりパ・ド・ドゥ、『シェヘラザード』よりパ・ド・ドゥ、『アルカード』はすべてアティリオ・ラビスの作品。ラビス自身が来日して直接指導にあたった。

osaka1309b_0010.jpg 『サラバンド』撮影:瀬戸秀美

まず最初に上演されたのは『サラバンド』、バレエの基礎を活かしながら、民族舞踊的な魅力も入った作品。中心を踊ったのは、藤川雅子とヤン・サイズ、福谷葉子と西岡憲吾。藤川は長い手脚が美しく優しい雰囲気が良い、ヤンともよくあっていた。だが、なんと私が観た28日の舞台の途中に怪我、早い回復を祈りたい。後半、藤川のパートもフォローしながら踊った福谷は可愛らしくチャーミングな魅力、そのパートナーの西岡憲吾も伸びやかでさわやかな良い踊りだった。西岡は、今年、ミラノ・スカラ座バレエ学校を卒業し、秋からセルビア国立バレエ(ベオグラード)で踊る予定だということ。益々の成長が楽しみ。
二つ目は『スパルタクス』よりパ・ド・ドゥ。踊ったのは、パリ・オペラ座のスジェ、サブリナ・マレムとエトワールのカール・パケット、二人の感情の高まりが伝わるパ・ド・ドゥ。次の『ラ・ヴィヴァンディエール』は、渡辺優衣(27日は小寺彩那子)と末原雅広を中心に。特に末原のアントルシャの美しさが眼を引いた。サブリナ・マレムとヤン・サイズ、二人のオペラ座スジェによる『シェヘラザード』よりパ・ド・ドゥは、サブリナの表情がとてもセクシー、プラス、恋する乙女の可愛らしさも。アクロバティックなところもある振付で、ヤンの踊りも物語を自然に表現していて良く、2人の息がぴったり。官能的な魅力に溢れたパ・ド・ドゥだった。
そして、休憩を挟んだ後は、まず、アティリオ・ラビスとクリスチャン・ヴラッシが踊る『アルカード』などパリ・オペラ座の懐かしい時代の貴重な映像が上映された。パリのバレエ独特の優雅な空気感をあらためて実感。続くラストはサブリナとカール中心に『アルカード』。パリ・オペラ座バレエ学校のレパートリーとしても上演されるこの作品は、アカデミックでありながら、パリらしくとても上品でエレガントな上に華がある。カールがこの舞台の全てのダンサーの中でもっともノーブルで優しげ、パリの品格を体現しているように見え、「さすがエトワール」と、ため息をつきながら帰途についた。
(2013年7月28日  京都府長岡京記念文化会館)

osaka1309b_0127.jpg 『サラバンド』撮影:瀬戸秀美 osaka1309b_0147.jpg 『サラバンド』撮影:瀬戸秀美
osaka1309b_0179.jpg 『サラバンド』撮影:瀬戸秀美 osaka1309b_0310.jpg 『スパルタクス』撮影:瀬戸秀美
osaka1309b_0465.jpg 『ラ・ヴィヴァンディエール』撮影:瀬戸秀美 osaka1309b_0552.jpg 『シェヘラザード』撮影:瀬戸秀美
osaka1309b_0776.jpg 『アルカード』撮影:瀬戸秀美 osaka1309b_0713.jpg 『アルカード』撮影:瀬戸秀美
osaka1309b_0840.jpg 『アルカード』サブリナ・マレム、カール・パケット 撮影:瀬戸秀美