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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.06.10]
From Osaka -大阪-

第50回なにわ芸術祭は夏山周久による『眠れる森の美女』全幕上演

全日本洋舞協会
演出・改訂振付:夏山周久『眠れる森の美女』

50回目を迎えた「なにわ芸術祭」。音楽や日本舞踊、落語などと並び、全日本洋舞協会も、この芸術祭で毎年バレエ・ダンスの公演を行っている。新人コンクールを兼ねるということもあり、複数の作品を上演してその中から賞を選ぶコンサート形式の公演が続いていた。だが、今回は節目の年ということもあって、ちょっと違った趣向。夏山周久演出の『眠れる森の美女』全幕を上演し、振付に関する賞はなし、ダンサーに対する新人賞と新人奨励賞を選ぶ形で行われた。

osaka1306b_0553.jpg 撮影:文元克香(テス大阪)

「なにわ芸術祭」で、クラシック・バレエ全幕というのは初だが、予想以上にまとまった舞台に仕上がっていた。演出を任されたのが夏山ということで、舞台を夏山とともに創り上げて学びたいという団体やダンサーが多く、これを機に全日本洋舞協会に入会したという例も複数あったと聞く。多くの団体が共に舞台を創り上げる時には、メソッドの違いなどもあり“気持ちが同じ方向に向いているかどうか”が良い舞台になるか否かのキーポイントになる気がする。今回の舞台は群舞の隅々まで、慣れないジュニアたちも「良い舞台を創りたい」という気持ちで同じ方向に向いていたように客席から感じられた。これは観ていて気持ちの良いことだ。
ダンサーへの賞を前提としていることから、オーロラ姫は1幕の畑起理子と2幕&3幕の山田由佳の2人が踊り分け、王子はゲストの清水健太。
6人の妖精は実力のあるダンサーたちで、リラの精に片岡典子、やさしさの精に本田彩香、元気の精に迫美憂、おうようの精に橋口真貴、のん気の精に辻本響子、度胸の精に荒井茜。リラの片岡は手脚を長く使うことのできるダンサーだと感じた。
1幕のオーロラ姫の畑起理子は、華奢で踊りのコントロールもできる人、若干、調子の悪さが出てしまったようだが、演技を大切に美しい形も失わず、ていねいに取り組んでいることが感じられた。
2・3幕のオーロラ姫、山田由佳は長い手脚をなめらかに使って、脱力感があり不思議な開放感もある魅力。2幕はとらえどころのない雰囲気がよく出て、3幕も女性らしいたおやかな色気を感じさせながら品を失わない、彼女独特と言えそうな踊りが興味深かった。そして、王子役の清水健太は堂々とした風格を持ち、パの数々もとても美しく、さすが。また、フロリナ王女と青い鳥をはじめとした3幕のディヴェルティスマンもそれぞれ一定のレベル以上。
なにわ芸術祭の表彰は、新人賞が2&3幕のオーロラ姫の山田由佳、新人奨励賞がリラの精の片岡典子に決まった。
(2013年4月9日 メルパルクOSAKA)

osaka1306b_0787.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1306b_0824.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1306b_0739.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1306b_1079.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪)
 
osaka1306b_1217.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪)
 
osaka1306b_1239.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1306b_0152.jpg 撮影:文元克香(テス大阪) osaka1306b_8083.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1306b_8041.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪)