ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.05.10]
From Osaka -大阪-

優れたダンサーがそろい、見応えがあった永山昭子によるチャリティー・ガラ・コンサート

Ako Ballet 「PERFORMANCE DU BALLET」
プロデュース:永山昭子

4年前に乳がんを発症し手術をした永山昭子が、乳がんチャリティーとして行っているガラ・コンサートで今回2回目。永山自身もダンサーとして出演している。
幕が開くと、まずはオープニング的な子どもたちの演目。平野節子振付の2作品で比較的小さな子どもたちによる和風の『春が来た』と、クラシック・バレエの基礎が身についてきたジュニアたちによる元気いっぱいのスポーティな演目『PLAY BALL 』が華やかに踊られた。

osaka1305b_0586.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

その後のグラン・パ・ド・ドゥなどに出演したのは、いずれも、日本を代表すると言えそうなレベルの高いダンサーばかり。『グラン・パ・クラシック』よりグラン・パ・ド・ドゥは、田中ルリの華を持った威厳と気品、青木崇の軽さのあるアントルシャやスパッと格好良く決まる技の数々で盛り上げた。久世めぐみと恵谷彰による『ダイアナとアクティオン』よりグラン・パ・ド・ドゥも、バネの聞いた動きなど高テクニックで見せ、山本悦子が『真夏の夜の夢』で親しみのあるメンデルスゾーンの曲に振付けた『メンデルスゾーン』より、では、山本自身と廣永久美、松田あかり、北村羽菜、矢崎有香、山本ゆい、6人のダンサーがネオクラシックと言えば良いのか、現代的な表現の魅力で楽しませてくれた。『バヤデルカ』actⅢからのグラン・パ・ド・ドゥを踊ったのは瀬島五月とアンドリュー・エルフィンストン。瀬島はどちらかというと、ハッキリしたタイプの踊りを得意とするタイプのダンサーのように思え、影の王国のニキヤというのは苦手なタイプの踊りなのではないかと見る前に思っていたのだが、物語に入り込み表現できる人なので、さすがにあの世の存在であることを表すものになっていた。アンドリューの演技も自然。2人とももう少しこの踊りを踊り込めば、また良くなっていくのだろう。
休憩を挟み、『ジゼル』act IIよりグラン・パ・ド・ドゥは主催の永山昭子と青木崇。物語に入り込んでの、優しさを持った2人の表現に好感が持てた。長田沙織と末原雅広の『エスメラルダ』よりグラン・パ・ド・ドゥは、ハツラツ、伸び伸びと高テクニックを見せて気持ちの良い踊り。中屋利萌子とアンドリュー・エルフィンストンによる『白鳥の湖』act IIよりグラン・アダージョは、中屋の柔らかく天上を志向するようで自然な表現が素晴らしいと感じ、彼女が踊る白鳥の全幕を観てみたい思いにかられた。アンドリューもノーブルで想いが籠もった踊りで良かった。『ラ・シルフィード』actⅡよりグラン・パ・ド・ドゥは、作品をよく知った上で踊っていることが感じられ、矢野のチャーミングな雰囲気、恵谷の美しいパの数々を楽しんだ。そしてラストは、下村由理恵と佐々木大の『ロミオとジュリエット』よりバルコニーのパ・ド・ドゥ。篠原聖一振付のもので、ラスト、不意にロミオに口づけされたジュリエットがバルコニーに上がるのではなく、舞台中央で口づけの余韻に浸るところで終わるもの。2人ともが繊細に恋心の高まりを表現して素晴らしく、心の高まりが言葉になって聞こえて来そう。高いテクニックでの技がその高まりをそのまま視覚化しているようだった。
次々と見応えのある踊りが続いた良いガラだった。
(2013年4月14日 いたみホール)

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osaka1305b_1050.jpg (全て)撮影:岡村昌夫(テス大阪)