ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.01.10]
From Osaka -大阪-

原田高博の指導を受けたダンサーたちの成長を感じた『椿姫』

原田高博バレエシアター
『椿姫』原田高博:演出・振付

若き日にベルギーのロイヤルフランダース・バレエで踊り、牧阿佐美バレヱ団でも活躍した原田高博。その後、長年にわたって関西を拠点に多くの実力あるダンサーを育てている。その原田が自らのバレエシアターを立ち上げ、初めての公演を行った。
まず幕が開くとオープニング。太鼓の音に乗せて日本の祭りをテーマにしたと思える群舞、テクニックも楽しませる振付だった。

osaka1301b_0479.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) 

続いて上演されたメイン演目は『椿姫』。原田の振付で、2008年にバレエスタジオミューズの公演として上演されたものの再演だ。オペラと同様にヴェルディの音楽を使ったもの、だが、音楽の構成はオペラとはだいぶ違い、『椿姫』以外のさまざまなヴェルディ作品からも多くの曲をピックアップして構成。主演ヴィオレッタ・ヴァレリー&アルフレード・ジェルモンは、初演時と同様に下村由理恵&佐々木大が踊った。各シーンにそれぞれの微妙な心情を表すパ・ド・ドゥがあるのだが、今回観て、そのそれぞれのパ・ド・ドゥが初演時以上に充実したように見えた。佐々木は、ただ若い情熱的な青年であるだけでなく、柔らかく想いが膨らむさまを表せるダンサーになったことが実感できたし、下村は以前から微妙な複雑な感情を表現できる人だったが、それがさらに繊細に伝わるようになったという気がする。
また、脇を固めたデュフォール男爵の沖潮隆之やジョルジョ・ジェルモンの岩本正治の演技が物語を引き締めたし、ヴィオレッタの友人オランプの田中ルリ、ニシェットの中屋利萌子の華のある踊りも良かった。
2幕の南フランスの田舎の場面ではニシェットが恋人(岡田兼宜)との結婚の報告に訪れるという場面があり、そんな彼女にほのかなうらやましさを感じるヴィオレッタが描き出されるというオリジナリティを持った演出もあった。また、この場面を中心に、青木崇、恵谷彰、上村崇人、河島真之、末原雅広、原田祥博といった高いバレエテクニックを持った男性ダンサーの踊りが楽しめたのも印象的。原田の指導を受け成長するプロダンサーの多さをあらためて思い、だからこそ、こういう舞台では彼を信頼する良いダンサーが多く集まって舞台を創ることができるということを実感した。第2回のさらなる飛躍に期待したい。
(2012年12月13日 八尾市文化会館プリズムホール)

osaka1301b_2022.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1301b_0252.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) 
osaka1301b_1443.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)  osaka1301b_2120.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) 
osaka1301b_2192.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)  osaka1301b_0257.jpg 撮影:田中聡(テス大阪) 
osaka1301b_0808.jpg 撮影:田中聡(テス大阪)  osaka1301b_1259.jpg 撮影:田中聡(テス大阪)