ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.12.10]
From Osaka -大阪-

矢内原美邦『コーヒー』ほか11作品を力強く、爽やかに踊った

大阪体育大学創作ダンス部
第37回単独公演 伊藤美智子、白井麻子:指導

初めて大阪体育大学創作ダンス部の公演を観た。タイトルは『空路へ〜こころはつる草のように〜』。学生たちが創作した11の作品に加え、この創作ダンス部出身の卒業生、ニブロール主宰の矢内原美邦が、岸田國士戯曲賞を受賞したのをきっかけに、彼女にも振付を依頼して『コーヒー』を上演した。
『コーヒー』は、いろんなことがあっても、穏やかに、またコーヒーを飲んで・・・と、ナチュラルな雰囲気が心地よい作品。大学生たちが等身大で素直に表現していて好感が持てた。
それ以外の学生たちの作品も、全国のダンスコンクールの受賞歴があるものなど力作が並んだ。『金蠅 oh! 脳!』は、体育大生らしいパワフルさと関西らしいサービス精神を合わせた作品。ポップな曲に乗って、金蠅役の男性が走り回り踊るコミカルなもので、そのハチャメチャ感が楽しく、客席からの笑いが絶えなかった。また『footstool』や『死ぬほど生きろ』、『蛻る 蛻る もぬけ』など、若者らしい不安を抱えながら自己の内面を見つめるような作品、震災後の福島を描いた『天使の涙の降るところ』が心に響いた。ラストに上演された『空路へ〜こころはつる草のように〜』では、アート仕様の組み体操とでも呼びたくなるような大人数での動きも目を引いた。
もちろん、全体に、なめらかな動きなどに関しては、普段、クラシック・バレエを基礎に鍛えたダンサーを多く観ている身としては物足りない面もあったのだが、作品それぞれに工夫がある上に、それが頭でっかちなアイディアと一発芸のようなもので終わるのではなく、若者らしい、体育大生らしい身体能力を活かしての大きな動きで表現され、観ていてとてもすがすがしかった。
この中には、きっと、学校の体育の先生になる方もいらっしゃるのではないかと思う。学校でぜひ、ダンスの素晴らしさを多くの子供たちに伝えてくださると嬉しい。
(2012年10月27日 たかいし市民文化会館アプラホール)

osaka1212c_01.jpg 『Footstool』撮影:永冨槙也 osaka1212c_02.jpg 『金蠅 oh! 脳!』撮影:永冨槙也
osaka1212c_03.jpg 『死ぬほど生きろ』撮影:永冨槙也 osaka1212c_04.jpg 『死ぬほど生きろ』撮影:永冨槙也
osaka1212c_05.jpg 『蛻る 蛻る もぬけ』撮影:永冨槙也 osaka1212c_06.jpg 『不器用な対話』撮影:永冨槙也
osaka1212c_07.jpg 『天使の涙の降るところ』撮影:永冨槙也 osaka1212c_08.jpg 『薪×本×勤×学×思×考』撮影:永冨槙也