ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.10.10]
From Osaka -大阪-

暖かく力強かった3回目の「堀内元バレエUSA III」

堀内元バレエUSA III
『Retourner Encore』『Sentier du Parc』『More Morra』堀内元振付、『in g major』Michael Uthoff

NYCBのプリンシパルを経て、セントルイス・バレエの芸術監督として活躍している堀内元が日本で自らの作品を観せる数少ない機会、「堀内元 バレエUSA」。
夏に兵庫県立芸術文化センターで行われているこの公演も、今回3回目を迎えた。
昨年、振付作品を観せるというだけでなく、40代後半という年齢からは考えられないような身体能力をともなった素晴らしい踊りも披露してくれた堀内元。今年はケガで手術を受けての治療中ということで、少しの出番に押さえられてはいたのだが、それでも、ダンサーとしての凜とした魅力も観せてくれた。
まず最初の演目は、堀内元振付『Retourner Encore』。白い衣装の男女たちによるクラシック・バレエのパを活かした明るく楽しげなオープニングらしい作品。中心を踊ったセントルイス・バレエ・プリンシパルのターニャ・ストロートマンと原田祥博によるパ・ド・ドゥは可愛らしい若者の恋という感じ。
2つ目の演目『Sentier du Parc』も堀内元の振付で、こちらを踊ったのは、セントルイス・バレエのファーストアーティストである森ティファニーと、今年のヴァルナ国際バレエコンクールで銀メダルに輝いたサンホセ・バレエの涌田美紀、そして、SABに留学後、日本の数々の舞台で活躍している末原雅広。おだやかで優しい雰囲気の作品を実力ある伸び盛りのダンサー3人が踊ると、心地良い香りが広がっていくよう。
3つ目は、ゲストコレオグラファー・Michael Uthoffの作品で『in g major』。昨年までセントルイス・バレエのプリンシパルとして活躍し、現在は日本に戻っている高田麻名が関西で活躍している岡田兼宜をパートナーに、ベテランだからこそ出せる深みをともなった穏やかな魅力を観せた。
そしてラストは堀内元振付『More Morra』。セントルイス・バレエ・プリンシパルのパメラ・スウェイニーと堀内元、それに、この2013年1月からセントルイスに入団予定の上村崇人を中心に、群舞も実力あるダンサーが揃っての上演。上村は高いジャンプや複雑な技を観せて、これからの活躍を期待させた。3つのパートそれぞれにテーマがあるという作品だが、全体を通して観て、外に発散していくようなエネルギー、前向きな向上心を強く感じた。にこやかに楽しげに──「人生を楽しもう!」、楽しむために前向きに努力し、歩んでいく──そんなポジティブな思いを受け取ったような気がした。
(2012年8月25日 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール)

osaka1210b_2280.jpg 撮影:岸隆子 osaka1210b_2299.jpg 撮影:岸隆子
osaka1210b_2309.jpg 撮影:岸隆子 osaka1210b_2321.jpg 撮影:岸隆子
osaka1210b_2369.jpg 撮影:岸隆子 osaka1210b_2396.jpg 撮影:岸隆子