ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.07.10]
From Osaka -大阪-

カール・パケットとエロイーズ・ブルドン、オペラ座コンビの『ドン・キホーテ』

京都バレエ団
振付:ファブリス・ブルジョワ『ドン・キホーテ』

パリ・オペラ座から振付にファブリス・ブルジョワ、バジル役にカール・パケット、キトリ役にエロイーズ・ブルドン、それに、ドン・キホーテ役にシリル・アタナソフを招いての公演。当初キトリ役に予定されていたドロテ・ジルベールが怪我のため、若手でスジェのエロイーズが抜擢された。カールと同じ教師マックス・ボゾニの元で育ったということもあるのか、息のあった舞台になったように思う。

osaka1207a0452.jpg 撮影:瀬戸秀美

ファブリスの振付は、所々に独特の工夫があり、なかでも特に印象に残ったのが、夢の場のキューピットを男性である末原雅広が踊ったこと。私たちが『パキータ』のソリストのヴァリエーションの曲の1つとして聞き慣れている(けれど、通常のキューピットの曲ではなく)憂いを含んだ『アルミードの館』からの曲が使われていたのだが、歩きながら弓を引く振りも音楽にぴったり、夢の場全体の雰囲気にも合っているように感じた。もちろん、末原のアレグロも鮮やかなバレエ・テクニックも素晴らしかった。また、町の踊り子(メルセデス)の藤川雅子は、にらみを効かせた表情も良い感じ、ジプシーの野営地でのジタンの女王(文美華)のソロも大人の魅力がとても自然に出ていて良かった。居酒屋の場面で、キトリとバジルがジプシーに借りたジプシー風の衣装姿というのも面白い。
全幕を通して、カールは少し怪我が直りきっていないのではないかと不安になる部分もあったのだが、王子や貴公子などの気品のある姿とはまた違った、若くてちょっと軽い雰囲気の青年をセンス良く演じ、こんな姿もいきいきと見せてくれるのだと楽しかった。エロイーズは登場から若さが溢れるようなキレのある動きで、とてもキトリらしい。3幕のグラン・パ・ド・ドゥのヴァリエーションのパッセの繰り返しでは、楽しげな笑顔でとても美しい5番を見せてくれるなど、基礎からのテクニックがしっかりしていることを実感させ、これからが楽しみなダンサーだ。そして最後に、シリルのドン・キホーテ、本当に表情豊かで芸達者、素晴らしかった。
(2012年5月19日 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール)

osaka1207a0426.jpg 撮影:瀬戸秀美 osaka1207a0786.jpg 撮影:瀬戸秀美
osaka1207a1409.jpg 撮影:瀬戸秀美 osaka1207a2041.jpg 撮影:瀬戸秀美
osaka1207a0046.jpg 撮影:瀬戸秀美 osaka1207a0320.jpg 撮影:瀬戸秀美
osaka1207a0629.jpg 撮影:瀬戸秀美 osaka1207a0687.jpg 撮影:瀬戸秀美