ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.06.11]
From Osaka -大阪-

全国の団体が7つの童話を紡いで踊った、全日本洋舞協会合同公演

第49回なにわ芸術祭・全日本洋舞協会「合同公演〜夢の贈りもの 七つの物語〜」
全日本洋舞協会

第49回なにわ芸術祭の一環として行われた全日本洋舞協会の「合同公演」。今年は、サブタイトルを「〜夢の贈りもの 七つの物語〜」として、一冊の童話集を読むような構成で、『青い鳥』や『白雪姫』『マッチ売りの少女』といった7つの物語が、全国から集まった各団体によって踊られ、たくさんの子供たちが大活躍する舞台となった。そしてその7つの物語の間に、ダンサー部門と舞踊作家部門の「なにわ芸術祭新人賞」を選ぶ自由作品7つの上演した。

osaka1206a01.jpg 撮影:テス大阪

その中から賞に選ばれたのは、ダンサー部門がイリエ・ユキ舞踊団の斉藤結依。振付も本人が行った自作自演(指導:入江由紀子)。人生をジグソー・パズルと重ね合わせた『壊れたパズル』を、コントロールのきいた確かな身体能力、自然な表現力で好演した。
舞踊作家部門はアメリカのオーランド・バレエで活躍する安川千晶。今回の舞台のために2つの作品を振付けており、その2つともが興味をひかれるものだった。1つ目は、安川自身の出身団体であるワクイバレエスクールに振付けた『樹の影が無くても』(指導:大堀彩香)。非常ベルの音が鳴り響く、大震災を思わせる大きな災害を扱った作品。災害の前にはあった樹がなくなり、その影がなくなっても力強く生きていこう──という思いが込められた作品だった。踊った子供たちがとても自然に内面の想いを表現しており、踊り手をよく活かしているなと感じた。安川が振付けたもうひとつの作品は、アラベスクバレエの『Re-Action(連続反応)』(指導:杉本初美)。ワイヤーが入っているのか、ちょっとポップにも感じられる裾の、白いワンピース姿の少女達が、どこかキカイのような無機質な感じを持って踊る。オリジナリティのある動きで、現代独特の軽さと少女の清楚さ、可愛らしさが同居して独特の魅力が感じられ、とてもセンスの良い作品だと強く印象に残った。
他にもモダンダンス、コンテンポラリー・ダンスから、元気が湧いてくるショーダンス的な作品やスペイン舞踊まで、多彩なジャンルのダンスの力作が並んだ。
入江由紀子振付の『月想い…』は、8人のダンサーが藤の花を持って踊る日本的な魅力も感じさせる作品で、それぞれのシーンが一枚の絵のような美しさで眼に心地よく残った。
(2012年5月13日 池田市民文化会館アゼリアホール)

osaka1206a04.jpg 撮影:テス大阪 osaka1206a06.jpg 撮影:テス大阪
osaka1206a08.jpg 撮影:テス大阪 osaka1206a10.jpg 撮影:テス大阪
osaka1206a13.jpg 撮影:テス大阪 osaka1206a14.jpg 撮影:テス大阪
osaka1206a16.jpg 撮影:テス大阪 osaka1206a17.jpg 撮影:テス大阪