ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.04.10]
From Osaka -大阪-

神戸女学院大学舞踊専攻の島崎徹ほかによる清々しいダンス

振付:Graham Mckelvie『Class at 13:20』、島崎徹『Album』『Here We Are』『Bardo』
神戸女学院大学音楽学部舞踊専攻

振付家の島崎徹が教授を務める神戸女学院大学音楽学部音楽学科舞踊専攻の第6回公演を観た。舞踊専攻は2006年4月に開設されたまだ新しい専攻だが、近年はヤン・ヌイッツも指導に加わるなど教師陣も当初以上に充実し、生徒たちは良い環境で学んでいるように感じられる。
まず最初に上演されたのは、この専攻の教師であるGraham Mckelvie振付の『Class at 13:20』。田中宏明のパーカッションと藤井斉子のピアノの即興演奏のなかで、大学でのレッスンそのものを見せるような作品だ。1, 2年生の出演で、まだ拙い感じが残る学生もいるが、素直にダンスに取り組んでいることが感じられた。

osaka1204d_01_0252.jpg 撮影:宗石佳子

続いては、3, 4年生による島崎徹振付『Album』。全員が花柄のワンピース姿でのノスタルジックなダンス。美しいダンスなのだが、どこか死生観が漂う、追悼の意が伝わってくるように思える作品だった。
休憩を挟んで上演されたのは、島崎徹振付『Here We Are!』。この作品を私は1期生が大学内で踊った時から観ている。1, 2年生が、この年頃だからこそ出せる自然な飾らない魅力で、関西だからかと思えるコミカルさも見せながら、しっかりと前に向かって進んでいく──そんなダンスを見せる。すがすがしくて、力強くて、観ていて元気になる気がした。
そしてラストは、島崎徹振付『Bardo』。この3月で卒業していく4回生10名(福塚まりえ、花岡麻里名、池田梓、孔麻璃子、小林遥、小松詩乃、松田柚香里、追田茉紀、辻川萌実、山根海音)と、男性ゲストダンサー5名(飯田一徳、仙名立宗、柴一平、鈴木明倫、山田茂樹)が踊った。この作品は、仏教で言えば四十九日、キリスト教で言えば天国への階段……といったものを表しているのだという。プリミティブなものを感じさせるとともに、男女のデュエットでの激しい動きも多々取り入れられた見応えのあるダンス。昨年、多くの方々の命を奪った東日本大震災に捧げられているのだろう、だがそれだけにとどまらず、“死”というものそのものと真剣に向き合って創られ、だからこそ“生”きる意味を大きく打ち出すように踊られていることを感じる作品だった。
フィナーレでは、特に4年生たちが、4年間の集大成を踊りきったという晴れ晴れとした笑顔を見せていたことが印象に残った。
(2012年3月8日 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール)

osaka1204d_03_0088.jpg 撮影:宗石佳子 osaka1204d_04_0089.jpg 撮影:宗石佳子
osaka1204d_04_0140.jpg 撮影:宗石佳子 osaka1204d_06_0376.jpg 撮影:宗石佳子
osaka1204d_10_0013.jpg 撮影:宗石佳子 osaka1204d_10_0090.jpg 撮影:宗石佳子