ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.04.10]
From Osaka -大阪-

関西を中心にの全国の男性ダンサーたちが集結したPDA公演

Professional Dancers Association「Marcher」
振付:篠原聖一『XXIV』、サイトウマコト『9Cells』、矢上恵子『組曲PQ』

関西で活躍する男性ダンサーを中心に全国の男性ダンサーが、先輩格である樫野隆幸の呼びかけの元に集った“PDA”こと“Professional Dancers Association”。2010年8月25日の第一回公演『Mask』に続き、今回、第二回公演『Mercher』が行われた。

osaka1204a2277.jpg 『XXIV』撮影:岡村昌夫

普段、さまざまな舞台で主役をはじめとした重要な役を踊っている男性たち──佐々木大、青木崇、武藤天華、惠谷彰、末原雅広……書ききれないが20名のダンサーたち、さらに現在、新国立劇場で活躍している山本隆之や福岡雄大、福田圭吾も加わったとても豪華な顔ぶれだった。
上演されたのは3演目で、どれもが今回のために振付けられたオリジナル作品だった。まず最初は篠原聖一振付の『XXYV』。黒い燕尾服姿の16人が踊るスタイリッシュなダンス。クラシックのパが活かされた、レベルの高いバレエダンサーだからこそこなせる振付で、山本隆之と佐々木大が表裏のように強い存在感を示していたのを中心に、他にも高度なテクニックを惜しげもなく披露するダンサーたちが多く、「バレエダンサーって、本当にカッコ良い!」とあらためて感じる作品だった。
2番目に上演されたのは、サイトウマコト振付の『9Cells』。9つの大きなダンボールに、9人のダンサー。1つのダンボールには、外を見るための窓がついている・・・安部公房の「箱男」だ! ちょっとアングラ的なコンテンポラリー、今回のダンサーたちは、普段はどちらかというとクラシック演目で観ることが多い人たち。なかには、コンテンポラリーの動きがこなれきっていないかと思えるダンサーもいたのだが、逆に、山口章など、クラシックで観る時以上に惹きつけられるダンサーもいて、いつもと違った魅力が楽しめた。これは再演を重ねると、もっともっと良くなるのではないだろうか。

osaka1204a2808.jpg 『組曲PQ』撮影:岡村昌夫

そして最後は、男性ダンサーを活かすことに定評のある矢上恵子振付の『組曲PQ』。バレエ『パキータ』のパロディを男性ダンサーばかりで。この日の観客は、おそらく、バレエ教師やバレエダンサー、習っている生徒など。ほとんどがバレエをよく知っている人たちで、『パキータ』を踊ったことのある人たちもかなり多いだろう。そんな観客層にピッタリの作品。いつもの矢上の作品と比べて、まるで、お祭りのように肩の力を抜いて楽しんで創られているように感じた。もちろん、それでいて、当たり前に浮かぶようなパロディではないし、踊る方も鍛えられていないと踊れないだろう振付なのだけれど。ダンサーたちもとても楽しそうで、コーダでは会場中が手拍子、これ以上ないくらいの盛り上がりで幕を閉じた。私も本当に楽しかった。と、同時に、さまざまな舞台で観る良い男性バレエダンサーが集結した舞台を観て、ここに同様の実力を持つ女性ダンサーたちが加われば、関西発の世界に通用するレベルのバレエカンパニーが出来そう──と、そんな夢が頭に浮かんだ。
(2012年2月26日 森ノ宮ピロティホール)

osaka1204a2282.jpg 『XXIV』撮影:正路隆文 osaka1204a0471.jpg 『9Cells』撮影:岡村昌夫
osaka1204a0382.jpg 『9Cells』撮影:古都栄二 osaka1204a2428.jpg 『9Cells』撮影:文元克香
osaka1204a1606.jpg 『組曲PQ』撮影:岡村昌夫 osaka1204a1457.jpg 『組曲PQ』撮影:文元克香