ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.01.10]
From Osaka -大阪-

ヴァルナで金賞を受賞したボッタイーニを迎えた『ライモンダ』

構成・演出・再振付:馬場美智子『ライモンダ』ほか
馬場美智子バレエ団

馬場美智子バレエ団の公演の幕開けは、12月らしく『くるみ割り人形』の雪の音楽での群舞『冬の情景』。次に上演されたのは『ベニスのカルナヴァル』、中井嵩人は登場からニコニコと楽しい笑顔で踊る喜びが溢れているよう。そのパートナーの藤永純は、まだパ・ド・ドゥに不慣れかも知れないが、香りたつような華やかさがあり、とても感じのよいものに仕上がっていた。続いては、88年に馬場美智子がG.F.ヘンデルの曲に振付けた『想いのまゝに(祈り、山の彼方の空遠く幸い住むと人は云う…)』。大きな、葉のない冬の木の前で踊られる、清らかで少し哀しげな、想いを込めたダンス。いろいろなことがあっても、ゆっくりと前を向いて進んでいく──そんな決意を示しているように思える作品だった。この作品は、阪神淡路大震災よりももっと前に創られたわけだが、阪神淡路大震災後にも上演され、また、東日本大震災が起こった今年、この機会にも上演された。
そして後半は、『ライモンダ』よりプロローグと2幕、3幕。イタリア生まれで、1996年にヴァルナ国際バレエコンクールで金賞を獲得するなど受賞歴も多く、国際的に活躍してきたダンサーであるアレン・ボッタイーニをジャン・ド・ブリエンヌに迎えた。ライモンダを踊ったのは、このバレエ団のプリマ、平松幸子。長身で清楚、もう少し強い表現が出ても良いかもしれないとも思うが、押さえた表現に奥ゆかしさが感じられる品のあるダンサーだ。アレンも本調子とは言えないのだろうが、舞台を大切にする気持ちが伝わる伸びやかな踊りだった。
アブドラーマンは平野玲。はじめは表現が強すぎるかと感じたが、決闘で倒される場面では、激しさとともに程よい押さえも聞いていて良い演技だった。そして、何より、このバレエ団のダンサーは、コール・ド・バレエの隅々まで、とても丁寧に心を込めて踊っているのが感じられて好感が持てる。カーテンコールでもほのぼのとした良い雰囲気が漂い温かい気持ちになれた。
(2011年12月3日 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール)

osaka1201b18.jpg 『想いのまゝに』撮影:岡村昌夫 osaka1201b20.jpg 『想いのまゝに』撮影:岡村昌夫
osaka1201b03.jpg 『ライモンダ』撮影:文元克香 osaka1201b06.jpg 『ライモンダ』撮影:岡村昌夫 osaka1201b10.jpg 『ライモンダ』撮影:岡村昌夫
osaka1201b13.jpg 『ライモンダ』撮影:文元克香 osaka1201b23.jpg 『ライモンダ』撮影:岡村昌夫 osaka1201b16.jpg 『ベニスのカルナヴァル』撮影:岡村昌夫