ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2010.04.12]
From Osaka -大阪-

4学年が揃った神戸女学院音楽学部公演、國立臺北藝術大學舞蹈學院も参加

神戸女学院大学音楽学部音楽学科舞踊専攻
島崎徹:構成・振付『Here we are!』『Courage』『Patch work』『The Naked Truth』

4年前、振付家の島崎徹を専任教授に迎え開設された神戸女学院大学音楽学部音楽学科舞踊専攻。その初めての卒業生を送り出す今春、初の4学年が揃った公演が行われた。
上演されたのは、すべて島崎氏の作品で4つ。最初の演目は1、2回生による『Here we are!』。これは3年前に学内で行われた第1回目の公演時から上演されている作品で、島崎がこの神戸女学院のために創ったもの。18名の仲間との関係性のあり方がにじみ出て、“身体の内面から表現する”ことを掴み始めているのが感じられる。
力一杯の迫力あるシーンも優しげなシーンも、それぞれ個々の素のものを飾らずにそのまま観客に提示する潔さのようなものが見えて心地よい。
続いては2回生花岡麻里名とゲストである原田みのるによる『Courage』。台の上に置かれた椅子、その上に掛けられた首つり縄、そこに今にも首をかけんとする女性。苦悩を表した作品だ。こういう心情は言葉では表せない、質の良いダンスはそれを表す。痛々しい想いが伝わり胸が締め付けられた。ラストはお互いに遠くから手を差し伸べ合い首からロープを外して、椅子に座って伏せる。苦しみ、悩み、何度も死に向かっては、なんとか踏みとどまって……それを救いきれないことに苦悩する男性。堂々めぐりのような苦しみが、とてもリアルだった。

後半は男性が多く登場する。國立臺北藝術大學舞蹈學院の学生たちだ。ダンスというものは、やはり男女で共に踊るからこそできることも多い。けれど、ここはその名の通り女子大だから生徒は女性しかいない。そこで、原田のようなゲストを招くことがまず考えられるわけだが、こういう他国の学生との協力体制が取られるのは、より良いように感じられる。
3回生7名が中国の男性5名と踊ったのは『Patch work』。パッチワークのようにさまざまなシーンが登場する作品で、デュエットなどの見せ場も多彩。キレのある動きや迫力に惹きつけられた。
さらに卒業生である4回生の演目『The Naked Truth』になると、デュエットでの難易度の高い動きも増え、なめらかさやしなやかさが加わり、身体のコントロールだけでなく、想いを込めての表現が深みを増す。通してみて、1, 2回生から、3回生、4回生へと学年が上がるごとに着実にステップアップしているのが分かった。また、回生があがるにしたがって、1つの作品のなかにさまざまな踊り手の見せ場が別々に創られており、1人ひとりの個性が大切にされていることを感じた。
(2010年3月11日 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール)

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撮影:宗石 佳子
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