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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2010.02.10]
From Osaka -大阪-

8年目に念願の初公演『白鳥の湖』国田、佐々木、青木、恵谷ほか出演

原田高博:演出・振付:『白鳥の湖』
国田美和バレエスタジオ
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大阪出身で橘バレエ学校でも学び、牧阿佐美バレヱで舞台に立っていた国田美和が、地元に戻りスタジオを立ち上げて8年目。これまで小さな生徒も出演するコンサートは行っていたが、今回初めて全幕公演に挑戦した。
選んだ演目は、昨年他界した彼女の父の願いだった『白鳥の湖』。東京に出る前から師事していた原田高博の演出で、若い頃から何度も共に踊っている佐々木大を王子役に迎えての舞台。

1幕、佐々木の王子は、登場から気品を感じさせてさすが。また、王子の友人的な役まわりであると同時にパ・ド・カトルも踊った青木崇と恵谷彰が素晴らしいテクニックで観客を魅了。ともに踊った北村和子と矢原稚子も素直な踊りで見応えのあるシーンに仕上げていた。

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2幕、白鳥の場面、国田はもともと高いバレエ技術を持つダンサーなので、白鳥に関しても美しいラインを観せ、丁寧に踊っていることに好感が持てた。だが、強くひきこまれたのは3幕。オディールとして登場した瞬間からの大きな存在感、活き活きとした表情、自身たっぷりに王子を誘惑する様は見事で、フェッテ・アントゥールナンを筆頭に回転技の速さ鮮やかさも素晴らしい。なかなかこれだけのオディールを踊れる人はいない。佐々木も気持ちの良いジャンプ、心情表現で大いに盛り上げた。
また、各ディベルティスマンも好感が持てるものが多く、特にナポリターナを恵谷彰と踊った広瀬舞奈は、笑顔も可愛らしく初々しい魅力が印象的。

4幕ラストは戦いの中、力尽きて倒れてしまうオデット、凜として悪魔を追い詰める白鳥たち。全幕の経験はほとんどない出演者が多いようだったにも関わらず、クセのない素直な踊り、前向きな取り組みが感じられ、気持ちがひとつになっていることが客席に伝わる良い作品に仕上がっていた。
(2010年1月11日 八尾プリズム大ホール)

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撮影:古都栄二/田中 聡(テス大阪)
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