ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2009.03.10]
From Osaka -大阪-

全幕物で初めてカップルを組んだ、竹中優花と武藤天華の『眠れる森の美女』

貞松・浜田バレエ団
浜田蓉子・貞松正一郎演出・振付『眠れる森の美女』 貞松・浜田バレエ(明石公演)

 昨年、結婚したばかりのホットなカップル、竹中優花と武藤天華の2人が主演の『眠れる森の美女』。明石市立市民会館主催での公演だ。それぞれ主演経験の多いダンサーで、グラン・パ・ド・ドゥなどで組む例も観ているが、本格的な全幕で組んでの主役は初めて。2人が結婚後まず踊る全幕として、『眠れる森の美女』はとてもよく合っていたとつくづく思う。
 竹中優花のオーロラ姫は、優しくていねいで、華も品の良さも童話のお姫様そのもの。『眠れる森の美女』は、1幕のローズ・アダージオにはじまり、2幕の幻影、3幕の結婚と、オーロラ姫の踊りの見せ場が満載で、どこかにそのバレリーナの弱さが表れることも多々あるように思うのだが、この舞台では、全幕を通して丁寧な心をこめた良い踊りを観せてもらえた。それが可能なのは実力の高さゆえだろう。1幕では無邪気なところを見せるオーロラが、幕を追うごとに落ち着いた気品を漂わせてゆくという変化も秀逸だった。
 王子もテクニックはもちろん、ノーブルでやさしさがあり良い。2幕の登場はゲームではなく、王子のソロという演出なのだが、その後を予感させる深みのある踊りで、そこから観客を惹きつけた。主役2人とも、この役にとてもよく合っており、素晴らしかった。
 妖精カラボスは、貞松正一郎。ドレスさばきも美しく迫力があり、芝居ごころたっぷり。彼が英国ロイヤル留学経験者で、ドラマを学んだということをあらためて思いだした。
 加えて、リラの精をはじめとする6人の妖精と、3幕の童話のディベルティスマンは全て違うダンサーがキャスティングされていたのも興味深い。それぞれ魅力ある個性を持つソリストが、こんなに大勢このカンパニーには育っているのだと頼もしく、これからがさらに楽しみになった。
(2009年2月8日 明石市立市民会館大ホール)
 

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