ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2009.02.10]
From Osaka -大阪-

法村友井バレエ出身者たちによる公演第一弾『Second Stage』

Second Stage(『くるみ割り人形』より“クララの夢”、他)

 法村友井バレエと言えば、歴史も規模も関西を代表する団体。ここから独立して自らの教室を主宰する先生方が多数現れている。大きな木から枝葉がさらに伸びているといった感じだ。
数年前、法村友井バレエの祝賀パーティで久しぶりに顔を合わせた同窓生、バレエの先生をしている人、踊っている人などが集い結成したのが “Second Stage”、今回が第一回公演だ。
今、法村友井バレエはクラシック作品、ロシア・バレエの上演が主で創作作品はほとんど上演されないが、1937年に法村康之、友井唯起子によって結成さ れた頃、戦前から戦後にかけては創作バレエを活動の中心に置いていた。パリ留学などを経て、クラシック・バレエに力を注ぐようになる一方、ディギレフのバ レエ・リュスの作品を研究、影響されて創られた友井唯起子や友井櫻子による創作作品が多々残っている。今回は、普段上演されないそんな演目に、法村友井バ レエ団からの資料の提供や、法村牧緒、宮本東代子、法村圭緒の出演も得て取り組んだ。こういった思い出の作品を観ることができたのは興味深かった。

 ところで、このコンサート、出演は若い人たちでという案もあったそうだが、最終的にほとんどの演目が、40代、50代、60代のメンバーでの上演された。
ただひとつ、主に若いダンサーたちで踊られたのは『 “ファウスト”より妖精の踊り』。原振付:三宅晢司の作品を、改訂振付の石川惠己が指導しての上演。高木美沙のしっかりした踊り、奥村唯の踊る楽しみが身 体じゅうからあふれるような踊りが印象的。次の世代もどんどん育っているのが実感できた。
最後は、『くるみ割り人形』より “クララの夢”。お菓子の国を “夢の国”(”Second Stageの国”)として、その国を司るGovernor(支配者)に法村友井バレエ団長の法村牧緒という演出。法村がギゴーニュおばさんの大きなスカー トの上で母のように微笑み、そのスカートのなかからディベルティスマンのダンサーたち──Second Stageのメンバーたちが飛び出してくる。「そうか、みんなここからバレエダンサーとして、教師として飛び出した」とあらためて実感。それぞれ、50代 前後、またそれ以上の年齢のダンサーたち、そうでありながら踊っていた。アラビア(境田公美、井口雅之)などは年齢を経たからこそ深い魅力が感じられた。 全体を見渡して言えば、なかにはさすがに体力の衰えからの失敗も若干も見受けられたが、そんな折も客席との意思の疎通とでも言えばいいのだろうか? 役の中での笑顔など表情などでの気持ちの交換があるのはさすが。
雪の女王は橋本幸代、渉将人をパートナーに、優しい華やかな笑顔。爽やかな笑顔の王子・法村圭緒をパートナーに金平糖の精を踊ったのは、中野光子。あと で知ったことだが、還暦だとか・・・トゥ・シューズを履きこなしてパ・ドゥ・ドゥを踊る姿はとてもそうは見えない。バレエ・ダンサーは長生きだとよく聴く けれど、バレエを踊る人に取って、60歳なんてまだまだ元気な年齢なのだろう。普段は指導者に回っている人たちが、たまにこんな舞台を行うのは、さまざま な意味で意義のあることなのかも知れないと感じた。
(2008年12月26日 門真ルミエール大ホール)