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星野 聖子 text by Seiko Hoshino 
[2012.12.10]
From Nagoya -名古屋-

海外ダンサーと越智インターナショナルバレエが華やかに共演した『眠れる森の美女』

越智インターナショナルバレエ団
『眠れる森の美女』タチアナ・タヤキナ:演出・振付

チャイコフスキー三大バレエのひとつである『眠れる森の美女』が越智インターナショナルバレエによって繰り広げられた。『眠れる森の美女』と言えば、クラシックバレエの中でも歴史が深く、最も有名な作品のひとつ。同バレエ団はこの作品を11月10・11日の2日間にわたって上演した。豪華な舞台芸術と衣裳、広い舞台、そしてオーケストラの演奏を伴い、プロローグを含めた全3幕をたっぷりと披露。出演者の色もさまざまで、注目すべき内容となった。
同バレエ団の公演にはこれまでも数多くのゲストダンサーが招聘されているが、本公演に迎えられたのはカテリーナ・ハニュコワ(ウクライナ国立キエフバレエ団/10日オーロラ姫)、ニーナ・ゴルスカヤ(モスクワ国立ボリショイ劇場/11日オーロラ姫)、その他12人の男性ダンサーたち(ウクライナおよびロシア出身)。さらに、国内の他のバレエ団からも才能豊かなダンサーが出演し、越智インターナショナルバレエの団員と同アカデミィのダンサーを合わせ、約100名で『眠れる森の美女』が彩られた。演出・振付はウクライナ国立キエフバレエ団プリマバレリーナのタチアナ・タヤキナが手掛けた。

osaka1212a01.jpg 11月10日公演

筆者が観賞したのは10日公演。オーロラ姫にハニュコワと、デジレ王子に越智友則だった。線が細く、一見華奢に見えるハニュコワは繊細で美しく、少女らしさに溢れていた。第1幕のローズ・アダージョでは音楽に合わせ、抜群のバランス力を見せた。脚をゆったりと足先まで伸ばしたり、テンポ速くステップを踏んだり回転したりと、「観客に自分を見せること」を楽しんでいる様子。舞台は完全にハニュコワによるオーロラ姫の世界として輝いていた。また、オーロラ姫が指先に針を刺してしまう場面では、これまで元気良く愛らしく踊っていたオーロラ姫が徐々に気分が悪くなり、最終的に倒れ込むという一連の流れが、バレエで見事に描写されていた。
越智友則のデジレ王子は第2幕より登場。リラの精によってオーロラ姫の幻想を見せられた王子は、オーロラ姫の美しさに心を奪われる。越智友則演じる王子は気品があり、ひとつひとつの動きも可憐だった。ジャンプは高く、張りがあって機敏。回転も速く正確なので爽快だった。オーロラ姫とのパ・ド・ドゥでは、ハニュコワをしっかりとサポートし、エレガントで紳士的な印象を残した。
今回の越智インターナショナルバレエによる『眠りの森の美女』全体を通して、主役以外のダンサーの活躍も重要だと心から思う。特にコール・ド・バレエ。第2幕に登場した24人で構成される群舞は、本公演の見どころの一つだ。白を基調としたチュチュを着た女性ダンサーたちが一斉に織りなす幻想の世界は、感動的だった。
公演2日目の出演者はオーロラ姫がニーナ・ゴルスカヤ、デジレ王子がワディム・ソロマハという、また別の色を持つペアなので興味深い。演奏は両日ともセントラル愛知交響楽団による。
(2012年11月10日 愛知芸術文化劇場)

osaka1212a02.jpg 11月10日公演 osaka1212a03.jpg 11月10日公演
osaka1212a04.jpg 11月10日公演 osaka1212a05.jpg 11月10日公演
osaka1212a07.jpg 11月11日公演 osaka1212a08.jpg 11月11日公演
osaka1212a06.jpg 11月10日公演